2018年9月6日、大きな地震が北海道を襲った。
のちに「北海道胆振東部地震」と名付けられたその地震は、多くの人の日常生活を奪った。
この時期、日本フットサル界では、元サッカーブラジル代表DFロベルト・カルロスの襲来が話題を集めていた。
そんななか、北海道のために活動をしていたのが、今シーズンより立川・府中アスレティックFCに加入した酒井遼太郎だった。
千葉県出身の酒井だが、北海道との縁は深い。
サッカー選手になりたかった彼は、15歳のときに単身で北海道に渡り、帯広北高、札幌大に進学していった。プロサッカー選手にはなれなかったが、現地で就職し、フットサル選手として活動を続けていた。そして2016/2017シーズンの前に、エスポラーダ北海道のセレクションを受け、追加合格で北海道の一員となった。
当時は「ただ走り回ることしか能がない」と、自身のことを語っていたが、2シーズンにわたって中心選手として活躍し、日本代表候補トレーニングキャンプにも招集されるようになった。
そして2018/2019シーズンを前に、立川・府中へ移籍。その1年目のシーズンで、自身にとって特別な場所である北海道で、震災は起きた。
地震を知った酒井は、すぐに北海道に住んでいた当時の仲間と連絡を取り、彼らの無事を確認した。ほとんど被害のなかった者もいれば、住んでいる地域によっては、家が倒壊した者もいた。
彼らとやり取りをするなかで、被災地には情報が圧倒的に足りないと感じ、テレビで流されている情報を、自身のSNSを通じて一生懸命に届けていた。
地震から日が経ち、徐々にニュースなどで現地の情報が報道される機会が減る中でも、被災地の知人と連絡をとれば、まだまだ復興に向けた支援は必要だと感じさせられた。
「今の私があるのは、北海道のおかげ。何とか恩返しがしたい」。遠く離れた関東にいる彼は、そんな思いが強くなっていった。
フットサル選手として、何ができるか。
考えた結果、酒井が辿り着いた一つの答えが、被災した子供たちと一緒にボールを蹴ることだった。
「まだまだ復興には、お金も、時間も足りていません。でも、自分がお金を提供するのは難しい。被災地の話を聞いたら、現地では子供たちが、サッカーやフットサルができなくなったと聞きました。そうした子供たちと一緒にボールを蹴る機会を作りたい。彼らに楽しんでもらって、辛かった出来事を忘れられる時間を作ってあげたい」
今回、チャリティTシャツを作るきっかけになったのは、酒井のこうした想いがあったからだった。このチャリティTシャツの売り上げ金の一部を使い、酒井は2018/2019シーズン終了後、北海道でフットサルクリニックを行う予定だ。
Tシャツは、受注生産となっており、初回の受注は1月13日23時59分まで。初回受注分は、1月21日に発送される。
「このTシャツは、北海道のイメージである『水色』と『白色』をベースに作りました。また、私のイメージカラーというのは特にないと思うのですが、以前、契約しているDesporteさんから出たレインボーカラーのシューズが、私の好きなイメージだったので、レインボーをデザインに入れてもらいました。このシャツを着て、ボールを蹴ったり、試合を見に来てくれたりしたら、嬉しいです」
なお、今回のTシャツとキーホルダーのセットは、下記のFutsalXのショップで購入できるほか、酒井本人も手売りする予定になっている。
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