アジア AFCチャンピオンズリーグ

ACLの女神を味方につける鹿島、Jリーグ勢2連覇目指し準決勝に挑む

著者:チアゴ・ボンテンポ

 国内で振るわずもACLで結果を出す鹿島

 鹿島アントラーズはAFCチャンピオンズリーグを制することができるだろうか。もしもそれが彼らのリーグでの状況に依存するのであれば、非常に難しいタスクになるだろう。

 現在Jリーグで7位に位置する茨城県のクラブは、リーグでも最強のメンバーを抱えて、優勝候補としてむかえた今シーズンにおいて、予想からは程遠状態にある。

 大岩剛監督は、チームが持っているポテンシャルを活かし切れずにおり、本来攻撃的ミッドフィールダーである選手をサイドバックや守備的ミッドフィールダーとして起用するなど、勝っていない時ですら疑問の残る采配を揮っている。

 これらのことは、現在のアンバランスなチーム状態の一部であることを、私たちは認めなければいけない。チームは植田直通や金崎夢生などの重要な選手を夏の移籍マーケットで失い、チョン・スンヒョンとセルジーニョがその穴をうまく埋めているとは言え、昌子源とレアンドロ、中村充孝の長期離脱により、オプションが多すぎるポジションと少なすぎるポジションに落差がある。

 鹿島には運命の導きがあるのか、ACLにおいては最も難しい組み合わせを避けることができた。鹿島が準々決勝で対戦した天津権健の方が大きな問題に直面していた。天津権健はアジアの大会に初めて出場し、柏レイソルと同じグループステージを戦い、決勝トーナメント1回戦では広州恒大を破った。しかし最近では難しい状況に置かれている。

 現在中国スーパーリーグで10位につけている天津権健は、過去8試合で1勝しか挙げられていない。外国人選手はアレッシャンドレ・パトとクォン・ギョンウォンの2人しかおらず、最近ベルギー代表MFのアレックス・ビツェッルをドルトムントに放出し、フランス人ストライカーのアントニー・モデストはクラブといざこざを起こして、契約下にはあるもののクラブ退団を目指して練習参加すらしていない。

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