著者:マリオ・カワタ
イングランドがスウェーデンを2-0で下し、1990年以来28年ぶりのワールドカップ準決勝進出を決めた。大会の歴史全体を振り返っても3度目となる快挙に、サッカーの母国では52年ぶり2度目の世界制覇への期待が高まっている。サポーターの合言葉は欧州選手権が地元開催された1996年にリリースされた応援ソング『スリーライオンズ』の歌詞、「フットボールが帰ってくる」だ。半世紀にわたって蓄積されてきたその期待の大きさを、代表選手として57キャップを誇るガレス・サウスゲート監督は誰よりも認識している。
スウェーデン戦後に47歳の指揮官は「もう一週間ここにいることになった。(決勝と3位決定戦の)どちらの試合を戦うかは私たち次第だ」とその決意の強さを滲ませた。
「私たちの国を代表してここにいることを光栄に思っている。全ての人々とフットボールを通して繋がり、人々の感情に影響を与えられるチャンスなんだ。ここにいる選手たちはみな国中の異なる場所から集まっており、それぞれ故郷では子供たちの憧れだ」
「そうしたことは、私たちの出している結果以上にパワフルなものだと思う。イングランドでは今頃パーティーが行われているだろう」
常に世界的なスター選手を擁するイングランドだが、サウスゲート監督が「イングランドを代表することは、いつもこうした(ポジティブな)状況だったわけじゃない」と語る通り、大舞台では期待を裏切り続けてきた。つい2年前にも、欧州選手権のベスト16で小国アイスランドに敗れて敗退する屈辱を味わっている。
「たしか18ヶ月前、選手たちに言ったんだ。イングランド代表での成功は、どんなクラブでの成功よりもはるかに大きいとね。彼らは今やっとそれを理解し始めているんじゃないかな」
欧州選手権では無得点に終わったハリー・ケインが6得点でエースの名にふさわしい活躍を見せる一方、今大会の躍進には代表招集から日が浅い「サウスゲート・チルドレン」も欠かせない存在となっている。スウェーデン戦で再三の好セーブを見せてクリーンシートを達成し、マンオブザマッチに輝いたジョーダン・ピックフォードもその一人だ。
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