プレミアリーグ

英3部、ライバルのクラブ名変更でリーグが制裁へ。複雑な両チームの歴史が影響

 イングランド3部に所属するAFCウィンブルドンは、ミルトン・キーンズ・ドンズFC(MKドンズ)戦のマッチデー・プログラムで相手を「MK」と表記したことが問題になっている。20日、英『BBC』が報じている。

 AFCウィンブルドンとミルトン・キーンズ・ドンズFCは強いライバル関係にあるクラブとしてイングランド国内では広く認知されている。

 2002年ごろ、本拠地移転を発表したウィンブルドンFCだが、サポーターや選手は猛反発。チームは破産危機に陥り、地元サポーターは新たなクラブ「AFCウィンブルドン 」を設立させた。

 2004年4月、音楽プロデューサーのピート・ウィルケルマン氏がウィンブルドンFCを買収。

 以前から地元ミルトン・キーンズにサッカークラブが欲しいと考えていた同氏は、本拠地のロンドンからミルトン・キーンズへ移転を断行。クラブ名も 「ミルトン・キーンズ・ドンズFC」と変更してしまった。

 しかし、本拠地移転の際に協会側から 「クラブ名は変えないこと」 と通達されており、旧ウィンブルドンFCとサポータークラブなどから大反発にあった。

 そして2006年5月、ウィンブルドンFCとミルトン・キーンズ・ドンズFCの両クラブ・サポーター協会・両サポータークラブなどの話し合いで事態は決着。ウィンブルドンFCのタイトルを含む歴史を「AFCウィンブルドン 」が引継ぎ、ミルトン・キーンズ・ドンズFCは2004年参入の新規クラブとして承認された。

 そんな複雑な歴史を持つ両クラブが9月に対戦。AFCウィンブルドンが作成したマッチデー・プログラムには「ドンズ」の文字が省かれ、「MK」のみ表記されていた。

 これがイングランドフットボールリーグ(EFL)規則3項の「不当に批判し、侮辱したり、信用を毀損してはならない」に抵触するとして、リーグ機構が調査に入っている。

 両クラブ間の関係性は崩壊しているため、リーグ機構の制裁は慎重に議論されるものとみられている。