今年の冬の移籍市場では新しい試みが始まる。セリエAのサッスオーロ、そしてシルヴィオ・ベルルスコーニ氏が所有するセリエCのモンツァが、今月からAIプログラムツールを導入して選手のスカウティングを行うという。イタリアの『コリエーレ・デロ・スポルト』をはじめ、複数のメディアが報じる。
サッスオーロとモンツァが導入するのは「ワラビーズ」という名前のAIスカウティングツールで、ミラノのスタートアップ企業により開発されたもの。このプログラムは、年間25リーグ、8,000試合、40,000人の選手を分析し、クラブのリクエストに応じて最適な選手を選ぶという。また、現時点での選手の技術を分析することだけではない。同じ選手の複数の試合を分析した上で、選手の成長の可能性も測ると言われている。
ワラビーズのCEOルイージ・リブロイア氏は、このスカウティングツールの可能性を語る。「ワラビーズの1年の作業量は、400人のスカウティングの作業量に匹敵します。人間に完全に取って代われるわけではないが、このツールの導入でクラブの負担が減り、基本的な戦略のサポートになるに違いない」
まずは、かつてミランに黄金期を築いたベルルスコーニ氏とアドリアーノ・ガッリアーニ氏(前ミラン、現モンツァCEO)が、モンツァに導入するというのだから、ビジネスの可能性が感じられるという事に違いない。また、国内トップレベルのサッカーアカデミーで評価されているサッスオーロがこのツールの導入に成功したとしたら、この仕組みは一気にヨーロッパ中で広がることだろう。
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