最近アーセナルの指揮を受け継いだフレドリック・ユングベリ暫定監督は、日本時間6日に行われたブライトン戦の前に、今年8月にアーセナルに加入したコートジボワール代表FWニコラ・ペペのパフォーマンスについて語った。
「4年前まではフランス3部チームでレンタルでプレーしていた若手だったのが、現在はプレミアリーグで戦っている。慣れるには時間がかかるのは当たり前なことです。ペペが自信を失っているとは思わないが、彼とはもっと深く話がしたい。どんなサッカーをして欲しい、何を期待しているなどを伝えたい。彼はピッチ内でもピッチ外でも素晴らしいサッカー選手です」
現在24歳のペペは、2013年から2017年までフランスのクラブ、アンジェに所属していた。まだひよこだった彼は経験を積むために、2015年にフランス3部のリーグ、オルレアン・ロワレにレンタル移籍し、彼のゴールの活躍でクラブはリーグ・ドゥ(フランス2部)に昇格することができた。
シーズンのMVPに選ばれたはペペは所属クラブのアンジェに戻り、1シーズン後にリールに移籍。そこでの素晴らしいパーフォーマンスとゴールの積み重ねで(2018/2019年シーズンで国内リーグのみで22得点11アシスト)アーセナルへの切符をゲットした。(ちなみにこの数年で、ペペ以外にリールの1シーズンで20得点以上を獲得した選手は、現在レアル・マドリード所属のエデン・アザールのみ)
しかし、ペペがアーセナルに移籍した時、まさかこんな分厚い壁にぶつかるとは誰も想像しなかっただろう…。
期待された割に試合に使われていない
2019年8月1日、アーセナルは移籍金7200万ポンド(約93億円)でペペの獲得を発表。ペペを欲しがっていたヨーロッパのクラブはたくさんいたが、アーセナルは夏の移籍期間中に彼を獲得するために、どのクラブよりも早く動いていた。そして、獲得に使った金額は彼への期待を表している。この金額はクラブ史上最高額の移籍金となった。
しかし、それほどの期待を持っていたアーセナルが、ペペを試合にあまり出場させてない。彼がプレミアリーグの試合でスタメン出場したのはたった8戦。カラム・チャンバースやマテオ・ゲンドゥージなどよりも少ない。そして、出場試合中に1ゴール2アシストというイマイチな実績となっている…。
また、ヨーロッパリーグの試合も含めると、アーセナルの直近5試合では一度もスタメンチャンスが与えられてない上、ウルヴァーハンプトン戦とノリッジ戦では1分も試合に出してもらっていない。
ヨーロッパリーグの今までのペペの記録を見ると、4試合で2ゴール2アシストという悪くない数字です。しかし、ゴールは全てセットプレーから生まれていて、これは彼がこのチームの戦術にあまりフィットしてない証拠である。
アーセナルのシステムが問題の一つ
アーセナルがペペの特徴を活かしたいのなら、勝負ができる余裕を与えなければならない。彼がゴールに向かって仕掛ける時は、誰にも止められない選手になる。
しかし、現在のアーセナルのスタイルは、ポッセションを重視したマイペースなサッカーです。このサッカーをやると、ペペよりエジルが選ばれるのはそんな不思議なことではない。また、ペペが出場する代わりに、オーバメヤンとラカゼットほどの選手がベンチに座って試合を観戦させられることもあり得ない話だ。
しかし、アーセナルがペペをチームの中心にするために、93億円もの大金を使ったのは事実です。それなら、彼のプレーを生かすための仕組みを考えないと、無駄使いをしただけになる。
ユングベリのこれからの選択にかかっている
ペペがとんでもない才能の持ち主であることは間違いない。2019年11月29日にウナイ・エメリ監督の解任の後、暫定監督としてアーセナルの指揮を受け継いだユングベリはそれをよくわかっている。しかし、これからアーセナルが彼を活躍させる環境を作り出すかどうかは誰にもわからないことです。
ペペはユングベリのことを指導者として認めるも、ウナイ・エメリが解任になったことに関する不安を隠せない様子。RMC Sportの会見でこう言った。「エメリが解任になったのはとても悲しいことです。彼が僕に期待していたからこそ、アーセナルに移籍することができたから」
しかし、ペペはスタメンに使われていないことに対しては誰も恨んでない。むしろこの状況をやる気に変えているような印象を受ける。「これはサッカーだ。誰が試合に出場するかを決めるのは監督です。僕が今ベンチにいるなら、それはベンチにいるべきだからです。スタメンにふさわしい選手になるために頑張りたいと思います」と続けた。
天才でありがなら、強いメンタリティーも持っているニコラ・ペペ。必ずどこかでチャンスを掴んで、どんどんどプレミアリーグでも通用するフォワードに成長することだろう…。
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