今季のセリエA優勝争いは例年以上に先の読めないものとなっている。近年着実に力をつけているナポリが絶好調を維持し、絶対王者ユベントスも気を抜けない状態が続いているからだ。
ユベントスはセリエA第7節、敵地ベルガモでのアタランタ戦で2-2と引き分け、連勝がストップした。これにより、ついに開幕7連勝を飾ったナポリが順位表で単独首位に浮上した。この一戦でユベントスは後半のVAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)によるゴール取り消しやアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラのPK失敗など不運に見舞われた場面が多かった。そんななか、今季のスクデット(セリエA優勝)争いの鍵を握る存在である“9番”ゴンサロ・イグアインのパフォーマンスに注目が集まっている。
先週のミッドウィークに開催されたUEFAチャンピオンズリーグ第2節・オリンピアコス戦、イグアインはトリノダービーに続きベンチスタートとなった。前半、ユベントスはオリンピアコスのディフェンスラインを低く設定しゴール手前エリア(バイタルエリア)のスペースを徹底的に消す守備に手こずり、前半を無得点で折り返した。
しかし60分、イグアインがピッチに入るとディバラとの関係性で徐々に相手守備網を切り崩していき、69分にそのイグアインが待望の先制ゴールをマーク。一気にユベントスが試合の流れを引き寄せたユベントスは79分にも追加点を挙げ、3ポイントをものにしている。そして今節のアタランタ戦で再び先発メンバーの座に返り咲いたイグアインは、この試合でも22分に同選手らしくゴールネット上を叩きつける豪快な一発を決めた。
今季イグアインは“ぽっちゃり”とした体型に注目が集まり、サポーターからの批判の高まりにマッシミリアーノ・アッレグリ監督が記者会見で同選手について言及しなければいけなかったほどだ。とりわけメンタル面に対して同監督は「もちろん我々にとってイグアインは重要な選手だ。しかしスクデット6連覇を成し遂げたブッフォン、キエッリーニなどが抱いているように、彼には常にトップを目指す野心が必要だ」と語り、アッレグリ監督には非常に稀な公の場での“喝入れ”も行なわれた。
ユベントスは代表ウィークを経て迎える次節で、今季ここまで国内リーグ戦とヨーロッパリーグを両立させ、好調を維持している難敵ラツィオとの一戦を控えている。とりわけアルゼンチン代表に招集されていないイグアインにとって、ここから冬にかけてコンディションを上げるべく非常に重要なリーグ戦中断期間になることは言うまでもない。例年以上に一試合も引き分けることが許されないユベントスにとって、エースの復調はセリエA優勝への鍵と言えそうだ。
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