宮本恒靖監督が昨シーズン途中からガンバ大阪トップチームの監督に就任し、ここに来てようやく宮本ガンバの方向性が定まり始めている。
思えば昨シーズン前半戦、降格圏停滞やレヴィー・クルピ監督解任など、ガンバ大阪がまさに絶望に瀕している中で宮本監督は就任しチームをなんとか立て直す。リーグ戦終盤には9連勝を飾って降格圏脱出に成功し、終わってみればリーグ9位で終了した。
今シーズンもこの勢いのままにリーグ上位に食い込むだろうと予想されていたが、昨シーズン同様立ち上がりはかなり苦戦する試合が続いた。2012年シーズン以来となるJ2降格の危険な香りが散見された中、宮本監督はある変化をチームに加えたことで上昇気流に乗ることに成功したと私は考察している。
ここではそんな宮本監督の「生き残りのための覚悟」を3つご紹介したい。
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— ガンバ大阪オフィシャル (@GAMBA_OFFICIAL) 2019年5月23日
【脱遠藤という苦渋の決断】
ガンバ大阪の真骨頂は遠藤保仁を中心に展開されるポゼッションサッカーである。これは既知の事実であり彼の残した功績は非常に多い。しかし、ポゼッションに加えてインテンシティも同等に重要度が増している現代フットボールのトレンドにガンバは少し取り残され、その影響がリーグテーブルでも如実に現れた。
そこで宮本監督は「遠藤依存」からの脱却を試みる。遠藤自身も39歳とベテラン選手で、アジアチャンピオンズリーグを制覇した2008年シーズンのような最盛期のパフォーマンスではないことは否めず、テコ入れが必要だった。いずれは対応せねばならないこの課題をシーズン途中で模索し、遠藤に代わり矢島慎也の起用を決断した。
矢島は遠藤の良さでもある視野の広さとパスセンスを既に兼ね備えており、攻守における広域なカバーリングで中盤を支配することに成功する。ビルドアップやキーパスに注目しても精度が高く、スピーディーかつ抑揚を加えたボール展開にガンバ大阪の新たな未来を感じることができた。
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