
鹿島アントラーズ、ガンバ大阪在籍歴のあるブラジル人MFファン・アラーノは、2026年から母国でプレー。現在はセアラーSCに所属しているが、Jリーグの環境についてブラジルと比較しながら持論を展開。ブラジルメディア『Esportes O POVO』が同選手のコメントを伝えている。
「日本は楽だった」。この一言だけを切り取れば、Jリーグへの侮辱と受け取る向きもあるだろう。だが、アラーノの言葉の文脈を丁寧に読み解くと、そこには単純な上下関係ではなく、南米サッカーが選手に強いる「消耗の構造」が浮かび上がる。
アラーノはJリーグで6シーズン連続プレーした後、セアラーSCへ加入。母国復帰後に最初にぶつかった壁は、戦術でも言語でもなく、「長距離移動」だった。「ブラジルでのこの試合日程は本当に大変。移動による疲労も大きいし、僕たちは北東部のクラブなので移動距離も長く、より負担がかかるんだ」と本人は語る。
翻って、日本での6年間はどうだったか。「日本では移動は短く、楽だった。一番長くても飛行機で1時間30分ほどだったよ」
この「1時間30分」という数字が、すべてを物語る。ブラジルの国土面積は日本の約23倍。北東部に位置するセアラーがサンパウロやリオへ遠征すれば、移動だけで選手のフィジカルを削る。Jリーグの「コンパクトな地理」は、外国人選手にとって密かな恩恵だったわけだ。
むろんアラーノ自身は「これがブラジルサッカーの現実であり、適応しなければならない」と淡々と受け入れている。弱音でも愚痴でもない。ただ、6年間の「快適な環境」が身体に染みついた選手が、いまその逆側に立たされているという事実は重い。
彼にとって6年のブランクは大きい。ブラジルの気候、芝の状態、審判のジャッジ基準、そして何より「連戦×長距離移動」のサイクル。これらに「再び適応している」という現在進行形の表現を、アラーノは強調している。いかに早くブラジル独特の環境に慣れるかが、今後のキャリアを左右する。
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