Jリーグ サンフレッチェ広島

日本代表OB斬る!神戸vs広島PK判定説明巡り「選手の感覚とズレ」ブラックボックス問題の本質とは

サンフレッチェ広島 写真:アフロスポーツ

 3月27日に行われたJ1百年構想リーグ第5節のヴィッセル神戸対サンフレッチェ広島では、GK大内一生(広島)とDFジエゴ(神戸)の接触におけるPK判定が話題に。日本サッカー協会(JFA)審判委員会による「ノーファウル」と判定すべきだったとの見解を受けて、日本代表OBからも疑問の声が挙がっている。

 この試合では後半36分、大内がペナルティエリア内で前に飛び出した際、ジエゴと交錯。主審は即座に神戸へPKを宣告した。広島ベンチは猛抗議し、VAR確認も実施されたが、判定は覆らなかった。このPKで同点に追いつかれた広島は、その後に元日本代表FW大迫勇也に勝ち越しゴールを許し、1対2で敗戦。勝ち点3を丸ごと失った。

 JFA審判委員会は4月8日、レフェリーブリーフィングにおいて当該シーンを「ノーファウル」「GKにとってはフェアチャレンジ」との見解を公式に示した。だが、試合は終わっている。この言葉が広島の選手たちに届いたとしても、失われた勝ち点は戻らない。

 この問題を受けて、日本代表・柏レイソル・ジェフユナイテッド千葉・東京ヴェルディなどでプレーしていた近藤直也氏が、自身のXで見解を披露。注目すべきは、単なる感情論ではなく、ピッチ内部からの構造的な批判である点だ。

 近藤氏は「後からの『誤審でした』という説明を聞いても、ピッチで戦っている選手の感覚とはズレがある」と主張。「試合はその瞬間で勝敗が決まるし、あとから正解を出されても結果は戻らない」と現場の論理を明確に言語化した。

 そのうえで、近藤氏が核心として突きつけるのが「透明性」の問題だ。VARと主審がどのような会話を交わし、なぜその判定に至ったのか。そのプロセスが一切見えないまま「覆らない判定」だけが下される現状に、選手もファンも置き去りにされている、という指摘である。「『なんでその判定?』『基準が分からない』というモヤモヤが残る」という言葉は、単なる個人的な不満ではなく、長年Jリーグのピッチに立ち続けた人間だからこそ持つ、普遍的な訴えと受け取るべきだろう。

 とりわけ重要なのは、近藤氏が「選手は意外と微妙な判定のニュアンスは分かっている」と明言している点だ。プロの選手たちは、ボールへのアプローチ、身体の向き、接触のタイミングを、瞬時に肌で読んでいる。だからこそ、主審・VARが何を根拠に判定したのかが見えないまま「曖昧に終わる」ことが、何よりのストレスになる。近藤氏はそう断じる。審判の質向上と同等に、もしくはそれ以上に「判定の透明性」を進化させるべきだ、という主張の重みは、現役経験のない論者とは比較にならない。

 レフェリーが人間である以上、ミスはゼロにならない。それはプロの世界の誰もが理解している前提だ。問題は、ミスが起きたとき、なぜその判断に至ったのかのプロセスが「ブラックボックス」のまま処理されることにあり、その点でファン・サポーターの不信感が募っている。