
Jリーグ初参戦となった栃木シティの優勝で幕を閉じた2025明治安田J3リーグ。注目のJ2昇格プレーオフ決勝ではテゲバジャーロ宮崎がFC大阪を下し、今季のJ3も全日程が終了した。
ここでは、トップカテゴリーからJ3に期限付き移籍している選手の中から、特に存在感を放った10名を紹介していく。
※2025年12月17日時点の情報に基づく。

安達秀都(ザスパ群馬)
今季は開幕間もない第3節から連敗し、第6節からは6戦未勝利など苦しんだザスパ群馬。厳しい状況のなか、ヴィッセル神戸から期限付き移籍中のMF安達秀都がチャンスメイクで果たした役割は極めて大きかったと言えよう。
シーズン前半戦は途中出場も多くあったが、後半戦に入るとスタメンに定着。終盤戦では再びベンチスタートのゲームもあったが、トータルではチームトップとなる7アシストを挙げて攻撃を牽引した。所属元である神戸の陣容を思えば、戻ったとしてもスタメン確保は容易でないだろうが、今冬ステップアップがあるのか注目したい。

五十嵐太陽(栃木SC)
昨年までJ2のレノファ山口で武者修行していたFW五十嵐太陽。2024シーズンは7試合の出場に留まったが、活躍の場を栃木SCへと移した今季は37試合とほぼ全試合に出場し、9ゴール5アシストと圧巻のパフォーマンスを多く披露した。
ドリブル総数は、チーム内はもちろんリーグ全体で見ても屈指のもの。同僚のFW川名連介とともにチームに突破口を開く存在として躍動した1年だった。昨年J3の福島ユナイテッドで活躍し、所属元である川崎フロンターレへ戻ったMF大関友翔のように、五十嵐も来季は川崎へ復帰してJ1デビューとなるのか注目だ。

内田瑞己(カマタマーレ讃岐)
昨季に引き続き期限付き移籍期間を延長し、カマタマーレ讃岐でシーズンを過ごしたDF内田瑞己。チームはJ3下位で苦しむシーズンとなったが、内田は主に守備面で大きく残留に貢献している。
37試合とほぼ全試合に出場し、ブロックやタックルの各総数はチームトップ。奮闘ぶりがうかがえる数字を残している。もちろん、サイドからのクロスなどチャンスメイクでも貢献度は高く、チームトップとなる3つのアシストもマークした。毎年のように大型補強を行う所属元の町田には、内田の活躍がどのように映っているのか、冬の動向が注目される。

太田龍之介(栃木SC)
今季期限付き移籍中の選手たちが大いに活躍した栃木SC。そんなチーム内にあって、最も飛躍のシーズンを過ごしたのがファジアーノ岡山より期限付き移籍中のFW太田龍之介だ。シーズン途中での加入ということもあり、出場試合数は25に留まった。同じくJ1クラブから武者修行に出てきたMF五十嵐太陽の37試合と比較すると少ないが、10得点を挙げる活躍で攻撃を牽引していた。
長身を活かしたプレーが魅力の大型ストライカーである太田。岡山に戻ることになれば、現時点ではより強靭なフィジカルと高さを誇るFWルカオとのポジション争いに身を置くことになる。今季のJ3全体でも得点力が高いとは決して言えない栃木としては手放したくない選手だが、果たして今冬の去就がどうなるか注視したい。

菊地脩太(FC琉球)
過去J2のV・ファーレン長崎やモンテディオ山形への期限付き移籍では、必ずしも結果を残したとは言えなかったDF菊地脩太。しかし、今季はFC琉球でフィールドプレーヤー中最長の出場時間を誇り、守備陣に欠かせない戦力として存在感を放った。
後方からの質の高いフィードや縦パスが大きな魅力。実際に第35節のアスルクラロ沼津戦では後方からのパスでアシストも挙げており、今後攻撃面での働きにも期待の選手だ。同世代のFW千葉寛汰やMF宇野禅斗が清水のトップチームで活躍中だが、果たして菊地の清水復帰はあるのか楽しみだ。

小竹知恩(ザスパ群馬)
今夏清水エスパルスより、J3で苦しんでいたザスパ群馬へ加入したMF小竹知恩。清水の下部組織出身で、すでに今季J1デビューも果たしていたルーキーは、シーズン終盤には群馬にとって欠かすことのできない戦力となった。
加入後毎試合のようにベンチ入りし、途中出場からのアシストなどでアピール。第33節以降はスタメンに定着し、2ゴール3アシストを挙げる活躍でチーム6連勝の原動力となった。来季は勢いそのままに所属元である清水でスタメン奪取に挑むのか、去就が注目される若手なのは間違いない。
コメントランキング