
デメリット:初期投資・品質管理・物流体制の課題
一方、自前・協働型のユニフォーム生産には課題も多い。まず、生産ラインを確保するための初期費用が発生し、讃岐は導入時に地元企業と連携して体制を整えたと報じられている。
品質管理でも、大手メーカーほどの技術・ノウハウを持たないケースでは縫製や素材にばらつきが生じる可能性がある。クラブ側が品質をチェックする体制を十分に整えなければならない点は大きな負担だ。
さらに、販路拡大にも限界がある。世界的な販売網を持たないため海外市場への露出は限定的で、オンラインショップの運営体制が弱いクラブでは発送遅延などのトラブルが発生しやすいという指摘もある。
なぜJ3クラブがこの方式を選ぶのか
J3クラブは収益規模が大きくないため、大手メーカーと契約する場合に十分なメリットを得にくい。一方、自前・協働型であれば、デザインの自由度、収益性、地域密着の強化を同時に実現しやすい。
・栃木C:クラブの世界観を表現しブランド価値を高めたい
・讃岐:地域文化を前面に押し出し、地元サポーターとの一体感を強化
・鹿児島:財政的な外部依存を減らし、持続可能なクラブ経営を追求
いずれも、クラブ規模に合わせた合理的な選択と言える。

今後の展望:Jリーグ全体への波及は?
欧州では、プレミアリーグのウルヴァーハンプトン・ワンダラーズが自社ブランド「SUDU」を立ち上げ、ユニフォームからトレーニングウェアまで一括管理するモデルを確立している。ただし、同クラブは大規模な投資が可能であり、J3クラブが同様の体制を構築するにはハードルが高い。
とはいえ、栃木C、讃岐、鹿児島の挑戦は、Jリーグの多様性を広げる象徴的な動きだ。クラブ独自の価値をどう表現し、どのように収益化につなげるか。ユニフォームはその最前線にある。
自前・協働ブランドの取り組みが全国に広がれば、Jリーグはより多彩で個性的なリーグへと進化していくだろう。
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