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元新潟DF稲村隼翔ら冷遇…日本人選手セルティック移籍反対論に識者賛同「前田や旗手の代理人が…」

稲村隼翔 写真:Getty Images

 ブレンダン・ロジャーズ監督を解任したセルティックには、元横浜F・マリノス指揮官であるアンジェ・ポステコグルー氏の再招聘が取りざたされている。現在出場機会に恵まれていない日本代表FW山田新、DF稲村隼翔の序列アップが期待されるところだが、一部のサッカー関係者は日本人選手のセルティック移籍に疑問を抱いている模様。日本代表FW前田大然やMF旗手怜央の代理人にも言及している。

 山田は2025年夏に川崎フロンターレからセルティックへ完全移籍。しばらく途中出場が続いていたが、9月14日のスコットランド1部リーグ戦以降はほぼ全試合で出場機会なし。UEFAヨーロッパリーグ(EL)の登録メンバーからも外れるなど、厳しい立場に置かれている。

 稲村はアルビレックス新潟からセルティックへ完全移籍加入も、今季ここまでスコットランド1部リーグ戦で1試合の出場。2025年夏の移籍ウィンドウ最終日にはイングランド2部バーミンガム・シティからの関心が報じられたものの、期限付き移籍は実現せず。9月以降は一度も公式戦のピッチに立っておらず、セカンドチームの公式戦に出場する時期もあった。

 ロジャーズ監督による稲村の冷遇を巡っては、英メディア『セルティックスター』が10月10日時点で「明らかに才能を伸ばす価値のある選手にとって、これは良い状況ではない。賢く、前向きで、意欲的な選手が存在しているのに、今は影に追いやられており、誰のためにもならない状況だ」と指摘。セルティックによる同選手の獲得が間違いとの認識を示している。

 山田も含めて日本人選手2名の現状に対して日本国内から批判が相次いでいるが、日本人選手のセルティック移籍反対論には、スカウティングでMLS(アメリカ・メジャーリーグサッカー)所属クラブに携わっている関係者が賛同。「前田大然や旗手の代理人がなぜセルティックを進めたのか聞いてみたい」と切り出すと、「監督がアンジェだからという安易な考えでは選んでないと良いが。 代理人は移籍先クラブがステップアップに相応しいか、選手キャリアを考えてアドバイスするのが重要」と持論を展開している。

 セルティックで苦戦する日本人選手2名の現状は、海外挑戦の難しさと同時に、クラブ選びやキャリア設計の重要性を改めて示している。確かにポステコグルー氏の再招へいが実現すれば、再び日本人選手が輝く可能性もあるだろう。しかし、監督の采配や戦術に依存した移籍の決断は長期的な成長を妨げるリスクを伴う。

 代理人を含めた選手サイドが、より戦略的かつ客観的にキャリアの道筋を見極めることが求められている。セルティックでの苦境を一過性の失敗で終わらせず、次なる挑戦の糧とできるかが、彼らの真価を問う分岐点となるだろう。