
湘南ベルマーレvs横浜F・マリノス(2018年決勝)
2018年10月27日、埼玉スタジアム2002。この年、決勝の舞台に立ったのは湘南ベルマーレと横浜F・マリノスだった。リーグ戦では残留争いの渦中にあった湘南に対し、横浜FMはアンジェ・ポステコグルー監督のもとで攻撃的なサッカーを完成させつつあった。多くの下馬評は横浜FM優位と見ていたが、湘南は一丸となって粘り強い守備と鋭い速攻で挑んだ。
試合は序盤から湘南が果敢に高い位置からプレスを仕掛け、横浜FMのビルドアップを寸断。すると36分、MF杉岡大暉が待望の先制点を奪った。その後は横浜FMがボールを支配して攻勢を強め、MF天野純やFW仲川輝人らが次々とゴールを狙ったが、湘南の守備陣が身体を張ってブロックを続け、GK秋元陽太が要所でビッグセーブを連発。最後まで集中力を切らさなかった。
試合はそのまま1対0で終了。湘南が、1994年のベルマーレ平塚時代に天皇杯を制して以来、24年ぶりとなるタイトルをつかんだ瞬間だった。90分間走り切り、守り抜き、そして勝ち取った栄冠。それは湘南が、Jリーグ史に確かな足跡を刻んだ日となった。

アビスパ福岡vs浦和レッズ(2023年決勝)
2023年11月4日の国立競技場では、アビスパ福岡がクラブ史上初のタイトルを懸け、浦和レッズと対戦した。長谷部茂利監督率いる福岡は、堅守速攻を徹底するチーム。対する浦和はAFCチャンピオンズリーグ2022王者としての誇りを胸にこの試合へ臨んだ。
試合開始5分、福岡のMF紺野和也が右サイドから鋭く切れ込み、MF前寛之が冷静に押し込んで先制。さらに前半終了間際、コーナーキックの流れからDF宮大樹が追加点を挙げ、リードを2点に広げた。後半は浦和が反撃。MF明本考浩のゴールで1点を返したが、福岡の堅守が最後まで崩れることはなかった。GK永石拓海を中心とする守備陣の健闘もあり、試合は2対1でタイムアップ。クラブ創設以来初の主要タイトルが、ついに福岡の手に渡った。
「やってきたことが間違っていなかった。信じて良かった。信じてついてきてくれた選手とスタッフ、またファン・サポーターも含めて福岡の皆さまにお礼が言いたい」という長谷部監督の言葉通り、この一戦は、地方クラブとしての誇りと日々の努力の積み重ねが結実したことを示す歴史的な試合となった。
勝利の瞬間、選手たちは遠く福岡から駆けつけたサポーターと喜びを分かち合った。その光景は、地道な積み上げを続けてきたクラブの歩みを象徴していた。支えてきた人々への感謝と「努力は報われる」ことを証明した、まさに歴史的な試合となった。

ルヴァンカップが生む「物語」
ルヴァン杯の歴史を振り返ると、そこに共通して見えるのは「初タイトル」と「劇的展開」だ。一発勝負の緊張感の中で、選手たちは普段以上の力を引き出し予想を超えるドラマを生みだしてきた。リーグ戦とは異なる“もう一つの戦い”が、この大会には存在する。
1999年の柏、2004年のFC東京、2010年の磐田、2018年の湘南、そして2023年の福岡。いずれの優勝も、クラブの歴史に確かな節目を刻み、その後の成長へとつながっていった。2025年の決勝では、柏レイソルとサンフレッチェ広島が激突する。多くのサポーターが見守る中、トロフィーを掲げるのは果たしてどちらのチームか。今年も11月の国立競技場で新たなドラマが生まれるに違いない。
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