
2024年までJ3で戦っていたY.S.C.C.横浜が、現在はJFL(日本フットボールリーグ)で最下位争いに苦しんでいる。クラブは関東1部リーグ降格の可能性に直面しており「Jリーグ経験クラブが地域リーグへ降格」という、前例のない危機が注目を集めている。
主力選手の流出や限られた経営規模の影響もあり、ピッチ内外で逆風が続く状況だ。サッカー激戦区である横浜で生き残りをかける小さなクラブの行方は、サポーターにとっても決して他人事ではない。ここでは、YS横浜が直面する現状を整理し、地域リーグへの降格リスクについて検証していく。

Jリーグ退会から続く悪夢
2024シーズンのYS横浜はJ3で19位に終わり、高知ユナイテッドとの入れ替え戦に敗戦。Jリーグからの退会が決定し、2025年はJFLで戦うこととなった。2014年のJ3創設と同時に参入して以来、下位に沈むシーズンが多く、財政規模や観客動員面でも常に厳しい立場にあった。近年はクラブとして若手育成や地域活動に重点を置く方針を打ち出していたが、結果的に成績不振と降格は避けられなかった。
今季は舞台をJFLに移し、再出発のシーズンとして臨んだ。序盤こそ勝ち点を積み重ねるも、その後は失点の多さと得点力不足に苦しみ、第7節のヴィアティン三重戦以降は連敗や引き分けが続く。特に夏以降は不調が顕著で、7月27日のレイラック滋賀戦から5連敗を喫し、第20節以降は最下位に転落した。
9月28日のブリオベッカ浦安・市川戦に3対0で勝利し一度最下位を脱出したものの、残り試合数と上位との勝ち点差を考慮すると、1年でのJ3復帰の可能性はすでに消滅している。
さらに今後の結果次第では、JFLから地域リーグ(関東1部リーグ)への降格の可能性もある。J3から一気に地域リーグへと落ちる「二段階降格」はクラブ史上初の危機であり、全国的にも注目を集めている。
かつてのJリーグクラブが地域リーグまで降格する事態となれば、Jリーグの競争原理やピラミッド構造の厳しさを象徴する出来事になるだろう。YS横浜は今、クラブの存在意義そのものが問われる局面に立たされている。

戦力低下と経営難の現実
2025年のYS横浜の低迷を語るうえで、シーズン開幕前の人員構成とクラブの経営環境に目を向ける必要がある。J3からの降格が決まった直後、MF奥村晃司(昨季35試合出場8得点)やMF中里崇宏(同31試合出場1得点)など多くの主力選手がチームを離れた。
新戦力として、FW落合遥斗(桐蔭横浜大学より新加入)ら大学出身の若手選手が奮闘しているが、即戦力としてのパフォーマンスはまだ十分でなく、チーム全体の戦力は昨季より明らかに低下している。
こうした人材流出はピッチ上の問題だけにとどまらず、クラブ経営にも影響を及ぼしている。観客動員数は前年同期と比べて減少傾向にあり、J3時代には1,000人前後を維持していたホームゲームの入場者数が、JFL降格後は700〜800人台に落ち込む試合も増えている。クラブはホーム戦で様々なイベントを実施し集客を図っているが、成績不振の影響もあり動員回復には課題が残る。
スポンサー面でも状況は厳しい。JFLではJリーグ時代に比べて露出機会が限られるため、大口スポンサーの新規獲得は容易でない。結果として、クラブは広報活動や地域イベントを通じて地道にスポンサーを募るしかなく、限られた資金の中で補強や契約維持にも制約を抱えている。こうした経営的な制限が、チーム力の低下に拍車をかけているのが現状だ。
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