Jリーグ サンフレッチェ広島

広島ジェルマン「リーグアン移籍可能な選手が…」Jリーグ・日本人選手の実力評価も

ヴァレール・ジェルマン 写真:Getty Images

 サンフレッチェ広島所属の元フランス代表FWヴァレール・ジェルマンは、今季限りで現役引退する見込みだが、リーグアンでプレー可能なJリーガーがいると主張。かつて日本代表DF酒井宏樹(現オークランドFC)やフランス代表FWキリアン・エムバペ(現レアル・マドリード)とチームメイトだったアタッカーが、Jリーグのレベルの高さや日本人選手の勤勉さ、それにJクラブのサポーター文化について語っている。

 海外メディア『ユーロスポーツ』で9月24日に掲載されたインタビュー記事によると、同選手はJリーグでプレーする日本人選手の特徴について、以下のようなコメントを残したという。

 「技術面のレベルは本当に高いです。これほど技術のあるセンターバックやサイドバックとプレーしたことはあまりありません。クロスやパス回しも非常に精度が高いです。また運動量も多く、かなりのハードワークですね。監督からの指示もしっかり守ります。Jリーグはクオリティーが高いと感じる要素がたくさんありますし、(Jクラブは)リーグアンの下位〜中位クラブに相当するレベルだと思います」

 「広島チームはマンツーマンでマークするスタイルです。その分、プレーには少し大胆さや創造性が欠ける部分もあります。ですが正直に言って、フランスのクラブはJリーグにもっと注目すべきだと思います。リーグアンへ移籍可能な選手、リーグアンで十分に通用する選手がいます」

 「選手たちはいつも練習開始の1時間前には到着します。皆、ジムやフィジオ(理学療法室)で準備しています。練習開始前に30分もロッカールームにいる選手はほとんどいません。練習後には、30分ほどクロスやシュート練習を行い、その後も治療やケアを続ける選手が多いです。彼らは本当に勤勉です。努力する文化が根付いていて、常にもっとやろうとする姿勢があります」

 広島のホームスタジアムであるエディオンピースウイング広島は、ほぼ毎試合多くの観客が詰めかける。それだけに、ジェルマンはJリーグ公式戦での雰囲気に対してポジティブな印象を抱いているようだ。

 「フランスやヨーロッパのウルトラスとは少し違います。オリンピック・マルセイユなどで経験した熱狂度合いに比べると(サポーター)音量は控えめかもしれません。でも、試合開始から終了までずっとチャントが鳴り続きますし、かなりの迫力があります」

 「応援スタイルも非常に整然としていて、全員が同時にタオルを振ります。私たちは紫色のユニフォームでプレーしており、スタジアムの3/4は紫です。対戦相手が黄色のユニフォームの場合は、相手側の応援席が黄色に染まるなど、スタジアムの光景も美しいです」

 「さらに面白いのは、サポーター同士のリスペクトです。フランスでは対戦相手のサポーターは試合後、衝突を避けるために一定時間スタジアムに留められることがありますが、ここでは皆一緒にスタジアムの前に出て、同じタイミングで帰ります。試合終了後のサポーターへの感謝を込めて一周する際も、相手チームのスタンドの前を通り、互いに拍手を交わします。ヨーロッパから来ると、本当に印象的で特別な光景だと思います」

 ジェルマンの見解から、Jリーグは単なる国内リーグに留まらず、技術力・勤勉さ・サポーター文化の面で海外クラブも注目すべき環境であることがうかがえる。また、リーグアンでは日本代表MF南野拓実(ASモナコ)が活躍しているが、今後Jリーグからリーグアンへ移籍する日本人選手が増える可能性も考えられる。