セリエA インテル

インテル、ローマの財政難につけ込もうと画策

インテル 写真:Getty Image

 セリエAのインテルは昨2024年夏、ローマに所属するフランス人MFマヌ・コネの獲得を狙ったが、交渉は不発に終わった。ローマ側は当初売却に前向きな姿勢を示したものの、クラブ首脳陣が介入して交渉は頓挫し、さらに熱心なサポーターからの強い反発も要因となった。

 イタリアメディア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によれば、インテルはこのコネ獲得を諦めたわけではなく、単に先送りしたに過ぎないという。ローマはFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)遵守のために選手放出が避けられず、コネは最も高額で売却可能な選手といわれている。

 インテルは代替としてリーグ・アンのランスからMFアンディ・ディウフを補強したが、コネへの関心を失ってはいないようだ。クリスティアン・キブ監督は将来的に3-4-2-1システムへの移行を計画しており、バランスを取るためには運動量豊富な中盤2枚が不可欠だ。インテルへ投資を行っているアメリカの会社もコネ獲得に向けて4000万ユーロ(約69億円)の投資を承認していたようだ。

 一方のローマはUEFAとの和解協定に基づき、2024年から2026年までの累計損失を6000万ユーロ(約104億円)以内に抑える義務を負っている。2シーズン前には6000万ユーロの赤字を計上し、直近のシーズンでも1500万ユーロ(約26億円)の赤字となった。ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督を迎えた今2025年夏の移籍市場では戦力維持を優先したため、大きな売却益を記録することもなかった。その結果、ローマは目標達成と制裁回避のため、6月30日までに約9000万ユーロ(約156億円)を捻出する必要があるとのことだ。

 MFハカン・チャルハノールやMFヘンリク・ムヒタリアンがピークを過ぎたとみられるインテルは、中盤の大型補強が確実視されているが、どのような動きになるかはディウフやMFペタル・スチッチの成長次第だ。一方のローマにとっては、財政改善の鍵を握るのがUEFAチャンピオンズリーグ出場権獲得となる。