クラブワールドカップ

予想通り?クラブW杯2025の観客席が空席だらけの理由

FIFA 写真:Getty Images

FIFAの大失態:PR不足、詳細決定の遅れ

今クラブW杯は、従来の7チーム形式から32チームに拡大し、4年に1度の新たな大会に変貌を遂げたが、PRが不十分という批判に晒されている。

2017年に廃止された大陸王者の代表チームが集うコンフェデレーションズカップに代わる「プレW杯」の役割を果たすものとして立ち上げられたクラブW杯。しかし、アメリカ内のマーケティング面ではMLSや欧州のスター選手に偏っており、大会全体の魅力を伝えるPRとはならなかったようだ。

FIFAは、欧州や南米に加えアジアやアフリカのトップクラブを含めたキャンペーンを行い、5,000万ドル(約72億円)以上もの宣伝費を掛けたと報じられ、空席問題を受けてさらに数百万ドルを増額したという。しかし、現地のサッカーファンはMLSや欧州、南米以外のクラブの試合に興味がないことが明らかになってしまった。

さらに、試合日程やチケット販売の詳細発表が遅れたことも、ファンの計画性を妨げた。浦和の公式サイトでは、大会直前までチケット販売の詳細が「決定次第お知らせ」とされており、情報が不足していたことが伺える。万難を排し太平洋を渡った浦和サポーターの行動力には頭が下がるが、「プレW杯」としての位置付けを考えると、「こんなことでW杯本番は大丈夫か」との不安が残る。

一部の試合では、MLB球団に所属する野球選手や、SNSインフルエンサーを起用した集客策が試みられた。しかし、これがサッカーファンに十分に訴求できなかったどころか、集客に苦労していることを詳らかにする結果となり、このマーケティング方法は「FIFAの大失態」と評されている。

また、本クラブW杯の開催期間(6月15日~7月13日)には、米国でCONCACAFゴールドカップも開催されており、国内サッカーファンの関心が分散してしまっている。加えて現在、MLBのシーズン真っ盛りでもあり、相対的にスポーツ観戦の選択肢として優先度は下がってしまう。選手やクラブ側からも、過密日程による負担増への批判があり、これが大会全体の魅力低下にも繋がっているようだ。


次回大会やW杯に向けて

次回2029年のクラブW杯については、2030年W杯本大会の開催国(スペイン・ポルトガル・モロッコ)での開催が有力な一方、アメリカでの再開催案も検討されているという。

出場枠をは今回の32クラブから48クラブにさらに増やし、国や地域単位の出場枠数の制限は撤廃。例えば、今大会に出場しているレッドブル・ザルツブルクなどが出られず、UEFAクラブランキングの高いクラブ(バルセロナやリバプール)に出場権が与えられるようにしたいというのが、FIFAの目論見のようだ。

まずは来年に控えたW杯に向けて、FIFAは機運をさらに高める必要があり、価格設定の最適化、効果的なプロモーション、アクセスなど運営の改善が求められるだろう。1つだけポジティブな面を挙げるとすれば、この空席問題が表面化したのがW杯本番前で良かったということだろうか。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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