クラブワールドカップ

新クラブW杯は成功するか?サッカー史上最高賞金というニンジン大作戦

DAZN 写真:Getty Images

世界的な熱狂を生み出せる?国ではなく都市代表

クラブW杯は「ワールドカップ」と銘打っておきながら代表チームのW杯に比べて注目度が低く、試合によっては観客席が埋まらないという課題があった。毎年ではなく4年に1度開催という特別感を出すことで、観客動員や視聴者数が改善するか注目だ。

人気の低迷には構造的な理由もある。W杯と言えど、出場するのは国の代表ではなく都市を代表するクラブだ。国の代表チームのサポーターが国民なのに対して、クラブW杯に出場するのは都市や地域に根ざしたチームで人口規模が小さい。「自分の国のクラブだから応援しよう」という人もいるが、やはり代表チームほどの熱狂は生み出せていない。

今クラブW杯では、南米から強豪国ブラジルの4クラブ(パウメイラス、フラメンゴ、フルミネンシ、ボタフォーゴ)とアルゼンチンの2クラブ(ボカ・ジュニアーズ、リーベル・プレート)が参加。欧州(イングランド、ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガル各2クラブ、フランス1クラブ)が国がバラけているのに対し偏りがあり、国によって大会の盛り上がりに温度差を生じさせる可能性があるだろう。


トヨタカップ 写真:Getty Images

日本では盛り上がる?浦和レッズの参戦

クラブW杯の前史としては、欧州王者と南米王者がホーム&アウェーで対戦してクラブ世界一を決する「インターコンチネンタルカップ」が1960年に始まった。南米での試合が大荒れするため、1981年からは中立地の日本で1試合を行う「トヨタカップ」になった。

2000年大会(第1回大会)から拡大路線にかじを切るが、試合数の増加に伴い選手やクラブの拒否反応が顕著化。また開催国側が巨額の賞金を用意するようになり、日本はなかなか手が出せない大会になってしまった。そう考えると、サッカー冬の時代に日本で開催されていたクラブ世界最高峰の公式戦トヨタカップは、実に貴重な機会だった。

日本からはどんどん離れていってしまう感があるが、トヨタカップ時代にはありえなかった日本クラブの参戦の可能性は高まっている。前回2023年大会までは、6大陸別の各大陸代表選出大会における優勝クラブが出場。新大会では、各大陸の王者とFIFAが算出するクラブランキング上位の合計32チームが参加となった。

今2025年大会には、2023年大会に続いて浦和レッズが出場する(6月18日対リーベル・プレート、22日対インテル、26日対モンテレイ)。今後日本で盛り上がりを見せるためには、コンスタントにJリーグのクラブが出場権を獲得することが不可欠で、そのための施策も重要になってくるだろう。


FIFAクラブワールドカップトロフィー 写真:Getty Images

2025FIFAクラブW杯の賞金内訳

賞金総額:10億米ドル(約1446億円)
スポーツパフォーマンス報酬:4億7500万米ドル(約687億円)、参加報酬:5億2500万米ドル(約759億円)

スポーツパフォーマンス報酬:4億7500万米ドル(約687億円)

ステージ(クラブ毎)
グループステージ(3試合):1クラブあたり、勝利200万米ドル(約289,200,000円)/引き分け100万米ドル(約144,600,000円)
ベスト16:750万米ドル(約1,084,500,000円)
準々決勝:1312万5000米ドル(約1,897,125,000円)
準決勝:2100万米ドル(約3,036,600,000円)
決勝進出:3000万米ドル(約4,338,000,000円)
優勝:4000万米ドル(約5,784,000,000円)

参加報酬:5億2500万米ドル(約759億円)

大陸(クラブ毎)
ヨーロッパ:1281万~3819万米ドル(約1,852,226,000円 ~ 約5,522,574,000円)※
南米:1521万米ドル(約2,199,666,000円)
北中米カリブ海:955万米ドル(約1,381,530,000円)
アジア:955万米ドル(約1,381,530,000円)
アフリカ:955万米ドル(約1,381,530,000円)
オセアニア:358万米ドル(約517,668,000円)
※スポーツおよび商業基準に基づくランキングにより決定

・6月13日時点のレートで日本円換算

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名前Takuya Nagata
趣味:世界探訪、社会開発、モノづくり
好きなチーム:空想のチームや新種のスポーツが頭の中を駆け巡る。世界初のコンペティティブな混合フットボールPropulsive Football(PROBALL)を発表。

若干14歳で監督デビュー。ブラジルCFZ do Rioに留学し、日本有数のクラブの一員として欧州遠征。イングランドの大学の選手兼監督やスペインクラブのコーチ等を歴任。アカデミックな本から小説まで執筆するサッカー作家。必殺技は“捨て身”のカニばさみタックルで、ついたあだ名が「ナガタックル」。2010年W杯に向けて前線からのプレスを完成させようとしていた日本代表に対して「守備を厚くすべき」と論陣を張る。南アでフタを開けると岡田ジャパンは本職がMFの本田圭佑をワントップにすげて守りを固める戦術の大転換でベスト16に進出し、予言が的中。

宇宙カルチャー&エンターテインメント『The Space-Timer 0』、アートナレッジハブ『The Minimalist』等を企画。ラグビーもプレーし広くフットボールを比較研究。

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