
3位:モンテディオ山形
主なIN選手
- GKトーマス・ヒュワード=ベル(ウェスタン・ユナイテッドより加入)
- MF吉尾海夏(横浜F・マリノスより完全移籍)
- MF野嶽寛也(鹿児島ユナイテッドより完全移籍)
- MF中村亮太朗(鹿島アントラーズより完全移籍)
- MF田中渉(鹿児島ユナイテッドへの期限付き移籍より復帰)
- FWベカ・ミケルタゼ(光州FCより加入)
主なOUT選手
- GK後藤雅明(V・ファーレン長崎へ完全移籍)
3年連続でJ1昇格プレーオフ進出を果たしているモンテディオ山形。昨季はリーグ戦を4位と2021シーズン以降は着実に1つずつ順位を上げてきているが、残念ながらプレーオフ準決勝で敗れJ1昇格はまたもお預けとなっていた。連続してプレーオフで敗退している山形にとって、自動昇格圏入りを果たしたい思いはJ2のどのクラブよりも強いだろう。そして、今冬の補強はそんな自動昇格への熱意を感じられるものとなっている。
まず大きいのは主力のほとんどがチームに残留した点。昨冬は新戦力に期待の選手を数多く迎えた一方で、攻守ともに柱と呼ぶべき選手を複数失っていたが、今冬チームを離れた主力はほぼGK後藤雅明のみ。もちろん加入以降プレーオフ進出にも大きく貢献してきた守護神が昇格を争うライバルでもあるV・ファーレン長崎に移籍したことは痛手だが、上位を狙う他クラブと比較して流出が少ないことは大いに評価できる。新守護神候補に元オーストラリアU-23代表のGKトーマス・ヒュワード・ベルを獲得。さらに中盤には、昨季清水エスパルスのJ2優勝にも貢献したMF中村亮太朗や鹿児島ユナイテッド生え抜きのMF野嶽寛也、昨年は韓国の済州ユナイテッドFCへ武者修行に出ていたMF吉尾海夏と注目選手を複数加えた。また、鹿児島への期限付き移籍から復帰のMF田中渉も昨季は33試合出場とシーズンを通してJ2で主軸を務めており、山形で成長ぶりを見られるのが楽しみな存在だ。そして最前線には昨年のAFCチャンピオンズリーグエリート2024/25のリーグステージ横浜F・マリノス戦で1ゴール1アシストと存在感を見せたFWベカ・ミケルタゼを補強している。
シーズン前半戦の過ごし方が課題の山形にとって、選手の流出を最小限に抑えられたことは確かなプラス要素。その上で、昨季J2で活躍した選手や新たな外国籍選手を複数獲得できたことから、補強により戦力アップに成功したクラブ3位とした。

2位:RB大宮アルディージャ
主なIN選手
- DFガブリエウ(横浜FCより完全移籍)
- MF安光将作(カターレ富山より完全移籍)
- MF谷内田哲平(京都サンガより完全移籍)
- FW豊川雄太(京都サンガより完全移籍)
- FWカプリーニ(横浜FCより完全移籍)
主なOUT選手
- MF泉澤仁(FC岐阜へ完全移籍)
2023シーズンのJ2リーグを21位で終え、昨季はクラブ史上初めてJ3リーグを戦った大宮アルディージャ。冬に一部の主力選手が移籍したものの多くの戦力がチームに残り、そこへ期限付き移籍などでJ3を戦うには十分な戦力を加え開幕を迎えていた。そして、結果は第32節で早々にJ2復帰を決定させると続く第33節で優勝も決め、堂々J3王者として昇格を果たしている。
J2復帰初年度となる今季、大宮は昨季J3を圧倒した勢いを活かしJ1まで駆け上がると言わんばかりに積極的な補強に動いている。注目したいのは横浜FCより加入の2名の外国籍選手。DFガブリエウは長身を活かした空中戦の強さが武器で、守備のみならずセットプレーの場面など攻撃面でも大いに貢献できる。FWカプリーニは突破力や強烈なミドルシュートから得点に関わる働きが可能だ。
もちろん、日本の新戦力も大いに期待できる選手ばかり。京都サンガより加入したFW豊川雄太の得点力やMF谷内田哲平の質の高いパス、さらにカターレ富山をJ2昇格に導いたMF安光将作も加え中盤から前の選手層は数段増した。残念ながらベテランのMF泉澤仁などチームを離れた選手もいるが、一方で昨季期限付きで加入し大宮を支えたFW杉本健勇やMF泉柊椰といった選手が完全移籍へ移行となり残留している。大きな戦力を失うことなく充実の補強が実現したことから、戦力アップに成功したクラブ2位とした。

1位:V・ファーレン長崎
主なIN選手
- GK後藤雅明(モンテディオ山形より完全移籍)
- DF高畑奎汰(ジュビロ磐田より完全移籍)
- DFエドゥアルド(横浜F・マリノスより完全移籍)
- MF山口蛍(ヴィッセル神戸より完全移籍)
主なOUT選手
- GK若原智哉(ジェフユナイテッド千葉へ完全移籍)※昨季は京都サンガより期限付きで加入
- DF田中隼人(期限付き移籍期間満了に伴い柏レイソルへ復帰)
- MF秋野央樹(アビスパ福岡へ完全移籍)
昨季は第3節から第24節まで22試合無敗という強さで、上位争いの中心に居続けたV・ファーレン長崎。シーズン最終盤は5連勝で自動昇格圏へと迫ったが、勝ち点1差で3位となりJ1昇格プレーオフへと進んだ。リーグ戦では安定した戦いぶりを披露した長崎だったが、プレーオフでは準決勝でリーグ戦6位のベガルタ仙台に1-4と敗れ残念ながら7年ぶりのJ1復帰は叶わなかった。
あと一歩のところで涙を飲んだシーズンを終え、今冬はどこよりも積極的かつ効果的な補強に動いた。特に話題となったのが、昨季J1を制したヴィッセル神戸の主将MF山口蛍の加入だ。能力、経験はもちろん新たな精神的支柱としての働きにも期待大な頼もしい戦力が加わった。さらに、守備陣では新守護神候補としてGK後藤雅明を獲得。昨季までモンテディオ山形を3年連続のプレーオフ進出へと導いたJ2で確かな実績を誇る選手の獲得に成功している。
また、過去に川崎フロンターレや横浜F・マリノスでJ1優勝を経験しているDFエドゥアルドや2023シーズンに大分トリニータで活躍し昨季はジュビロ磐田でJ1を経験したDF高畑奎汰も加え、守備陣はより分厚くなった。昨季の躍進を支えたMFマテウス・ジェズスら強力な外国籍選手もその多くがチームに残留。一部MF秋野央樹ら主力選手の流出はあったが、概ねプラスの要素のみと言える補強が叶ったことから、戦力アップに成功したクラブ1位とした。注目の新戦力たちが、前年及ばなかった“あと1歩”を詰める存在となれるか。昇格の大本命の1つとして長崎のさらなる躍進に期待したい。
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