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「日本代表も使う」浦和レッズ、埼スタ指定管理者非指名前に埼玉県と意見対立

浦和レッズ 写真:Getty Images

 浦和レッズは埼玉スタジアム2002公園指定管理者募集へ申し込みも、埼玉県による審査の結果、非指名に。指定管理者に指名された『公益財団法人埼玉県公園緑地協会』の管理能力を疑問視する声や、北海道コンサドーレ札幌のホームスタジアムである「大和ハウスプレミストドーム(旧札幌ドーム)」との比較論が湧き起こるなか、元サッカー選手の埼玉県議会議員がクラブと県のやり取りの一部を明かしている。

 自民党所属の埼玉県議会議員である諸井真英氏は、埼玉スタジアムの指定管理に関する情報を発信。県や浦和レッズの発表を受けて、8日にXで以下のように投稿していた。

 「問題点は色々あるが、水着撮影会やクルド祭りの対応を見る限り、公園緑地協会が管理者としては全く相応しいとは思えない。浦和レッズに問題がないわけではないが、最終的には浦和レッズが管理者となるのがレッズにとってもファンにとっても埼玉県にとってもプラスとなることが明らか。しかし公園緑地協会の既得権を優先した結果浦和レッズを管理者から排除することとなった」

 「埼玉県のスタンスとすると埼スタは浦和レッズのためだけにあるわけではないそうだが、6万収容の埼スタをコンスタントに埋めることができるのは浦和レッズ以外ない。この姿勢を続ければ将来的には日本ハムと札幌ドームとの間に起きたようなことになる可能性も懸念している。そうなればいくら代表戦を年に3-4試合やったところで大赤字施設となる。もっとも築30年近いのに大規模改修の予定もたたずこのまま代表戦開催地として選ばれる保証もないが…」

 札幌市の公の施設の指定管理者として『株式会社札幌ドーム』が管理運営を行うなか、『大和ハウス工業』との命名権契約締結後も赤字を抱えている大和ハウスプレミストドーム(旧札幌ドーム)を比較対象とし、埼玉スタジアムの“札幌ドーム”を危惧している諸井議員。12日には自身のYouTubeチャンネルで「非常で難しい問題。正確に状況を理解されている方は、クラブ・県の関係者以外だとなかなか難しい」「浦和レッズは2020年、公園緑地協会・ビルメンテナンス協会・造園協会による『埼玉スタジアムマネジメントネットワーク』とは別でプレゼンテーションを実施したが、マネジメントネットワークに敗れた」と前置きした上で、埼玉スタジアムのピッチコンディションに言及。

 これによると、県や緑地協会は「埼玉スタジアムは浦和レッズの持ち物ではない。日本代表も使用する」として、クラブの要望受け入れに消極的だったとのこと。「芝張替えの際、浦和レッズは大原サッカー場と同じ暖地型の芝を導入するよう求めた。しかし県や緑地協会は、ベストピッチ賞を受賞した実績等を踏まえて『芝の種類を変えてはいけない』と強く主張して、最終的に寒地型の芝が採用された」という。

 なお諸井議員によると、関東地方のサッカースタジアムで寒地型の芝を採用しているのは埼玉スタジアムのみとのこと。浦和は今回の審査の結果について「美園地区住民のみなさまや行政との連動を軸とした取り組みにも注力していく旨のプレゼンテーションを行いましたが、この様な結果となり大変遺憾に存じております」と声明を発表しているが、芝の種類を巡る県側との協議内容には触れていない。