2024シーズン終了後も若手日本人選手の欧州移籍が相次いでいる日本サッカー界。FW小森飛絢(ジェフユナイテッド千葉からシント=トロイデンVV)、FW山田楓喜(京都サンガからCDナシオナル)、MF保田堅心(大分トリニータからKRCヘンク)にくわえて、柏レイソル所属の日本代表DF関根大輝がMF伊東純也、FW中村敬斗所属のスタッド・ランスへ移籍する見込みだ。こうした有望株の相次ぐ海外移籍の移籍金を巡って、日本国内のみならずオランダのジャーナリストもJリーグクラブの抱える問題点に切り込んでいる。
オランダメディア『huiskamerscout』のジャーナリストでアジアサッカーに詳しいジェラルド氏は、1月9日にXを更新。「日本人選手がJリーグクラブから欧州へ移籍することについて、最近否定的な意見が多く見受けられる」とした上で、Jリーグクラブや日本サッカー界が解決すべき問題点について以下のように綴っている。
「Jリーグクラブはあまりにも容易に欧州クラブへ選手を放出している。Jリーグ全体を改善するために、その点を調査する必要がある一方、育成年代に対する日本サッカーの取り組みが成功していることも意味する」
「最近、多くの才能豊かな選手が海外移籍することにより、日本にいる選手に所属クラブでポジションを獲得する可能性が生まれるといった連鎖が見られる。なので、Jリーグクラブは10年以上前と比べて才能豊かな選手が早い段階で海外移籍するようになった今の時代において、(移籍金を引き上げるなど)もっと収益を上げようと努力し、若手選手への投資を続けるべきだ」
海外挑戦における日本人選手の移籍金を巡っては、以前から日本のサッカーファンの間で「移籍金が安すぎる」と話題に。かつて鹿島アントラーズからシャルケへ移籍した日本代表OBの内田篤人氏は、インターネット動画配信サービス『DAZN』制作の「内田篤人のフットボール・タイム」に出演した際、「Jリーグの会議でも移籍金が少ない、どのように工夫をすれば、海外から移籍金をとれるのか話題になっている」とした上で、こう私見を述べていた。
「移籍金ゼロで退団するのを悪とは思わないけど、ファン・サポーターも移籍金についてこれだけ理解している。オープンになっているわけだし、クラブのために何かを残すならば、プロの世界なのでお金(移籍金)もある程度残すことも必要。移籍金を残せば、復帰しやすい。別れ方は大事。恋愛と一緒」
欧州で結果を残せず、Jリーグへ復帰する選手がいることも忘れてはならない。MF本間至恩は2022年7月にアルビレックス新潟からクラブNXT(クラブ・ブルッヘのセカンドチーム)へ完全移籍も、トップチーム昇格とはならず。2024年7月に浦和レッズへ完全移籍した。この本間の移籍について、クラブ・ブルッヘのディレクター職を務めるデビィ・リゴー氏は2024年9月、ベルギー紙『De Morgen』のインタビューで「日本人選手の移籍金は比較的安い」「日本は新興市場だ」などと発言。ベルギー国内クラブにとって、日本人選手の獲得は移籍金の収支という観点で「ノーリスクハイリターン」だという。
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