J2降格の北海道コンサドーレ札幌は、ミハイロ・ペトロヴィッチ前監督の後任として鹿島アントラーズOBの岩政大樹氏を招へい。主力選手だったMF菅大輝とMF駒井善成への契約満了通達もあり、三上大勝代表取締役GM(ゼネラルマネージャー)への批判が相次ぐなか、同クラブOBのDF西大伍(現いわてグルージャ盛岡)がJ2降格の原因を分析。ペトロヴィッチ前監督と選手の関係や、野々村芳和氏(現Jリーグチェアマン)の社長退任に言及した。
西は12月20日に自身のYouTubeチャンネルを更新。古巣札幌のJ2降格について「今年だけの問題ではなく、ここ何年かの仕事がこの結果に繋がったと思う」と述べた上で、「去年の夏まで札幌にいた身として、僕もこの流れを変えられなかったことに責任を感じている」「良くないことになる可能性があるなという流れは、僕がいた時には感じることができた」と、在籍時のチームの空気感を語る。
そしてペトロヴィッチ前監督の長期政権について「8年というのは凄いこと。Jリーグでの指導と考えると20年を超えるわけだから凄い。札幌の歴史から考えると、やっぱりJ1にこれだけ長く残ったというのは凄いことだと思う」と称賛。
ただ一方で「僕がチームにいて、選手・スタッフのことを信用できなくなっていったかなと感じた。それはミシャさんだけの問題ではなく、信用させられなかった側の問題でもある。全員が責任を感じるべき」と持論を展開。
前指揮官が攻撃重視のスタイルを変えなかったことについて「自分の思ったサッカーを貫くのは素晴らしいこと」と述べつつも、「(浦和レッズを率いていた時よりも、)柔軟性が無かったかなと。選手に対しての信頼ができなかったというところ。選手側の責任もあるし、その辺がチームを難しくしてしまったという印象」と、再び監督と選手の関係性に触れた。
2017シーズン途中の浦和レッズ監督解任を受けて、野々村元社長のもとでペトロヴィッチ監督の招へいに動いた札幌。野々村氏は2022年3月のJリーグチェアマン就任によりクラブを離れたが、その後は三上氏への負担が集中。一部からは三上氏の社長業兼務がJ2降格の原因だと指摘されているが、西は野々村氏の社長退任についてこう述べている。
「野々村さんがミシャを連れてくるというプロジェクトを始めて。野々村さん自体はJリーグに行くことになって、コンサドーレからいなくなったけど、やっぱり彼が始めたプロジェクトなので、終わり方も彼が決めてから出ていくべきだったかなと思う。後に残された人が、これだけ多くのファンの方から支持されているミシャさんを終わらせるというのも、なかなか難しい判断になってしまったと思う」
ペトロヴィッチ前監督のもと、エレベータークラブという立ち位置から脱し、J1に定着したと思われていた札幌。選手と監督の関係、組織体制の変更がJ2降格という結果を招いたと言っても過言ではない。
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