
杉本健勇(大宮アルディージャ)
今季J3の中でも高い攻撃力を誇った大宮アルディージャ。そんな強力な攻撃陣を牽引したのが、ジュビロ磐田から期限付き移籍中のFW杉本健勇だ。2017シーズンはJ1で22ゴールという数字を残したが、以降思うようにゴールを挙げられないシーズンが続いた杉本。しかし、今季は10ゴールと久々の二桁得点をマークし、アシストも7つと前線で強烈な存在感を放った。
今季リーグトップの72ゴールと高い攻撃力をみせた大宮だが、内訳をみると二桁得点者は杉本1人。その分他の選手もそれぞれが得点を挙げているとはいえ、来季カテゴリーが上がることを踏まえれば杉本を失うことによる得点力不足への懸念もある。今冬補強の動きも注目なクラブだが、輝きを取り戻したストライカーの去就にも大いに注目だ。

東ジョン(FC琉球)
2022シーズンにJ2からの降格を味わい、昨季は5年ぶりのJ3で17位と大苦戦を強いられたFC琉球。低迷の原因でもあった失点の多さをどう改善するかが注目されるなか、名古屋グランパスから期限付きで加入したGK東ジョンが守護神として存在感を放った。
第12節以降はスタメンに定着し、最終的に31試合に出場。フリーキックからの狙いすましたシュートやDFラインの背後を取られた近距離からのシュートに対して好反応を見せるなど、高いセービング力でチームを支えた。来季J2復帰を目指すためにも最後の砦であるGKの存在は極めて重要なだけに、東の去就が注目される。

藤原健介(ギラヴァンツ北九州)
昨季はJ3で最下位と苦しいシーズンを過ごしたギラヴァンツ北九州。再起を図るべく臨んだ今季は、序盤戦こそ黒星先行で苦しい立ち上がりとなったが第13節から13戦無敗と好調に転じた。残念ながらプレーオフ進出こそ果たせなかったが、昨季の低迷から一転7位と来季に向けて大いに希望を見出せるシーズンとなった。
そんな北九州の好調要因となったのが、シーズン途中にジュビロ磐田から期限付きで加入したMF藤原健介だ。開幕を磐田で迎え9試合に出場し1アシストと活躍を見せたなかで北九州へ加わると、第19節の福島ユナイテッド戦で途中出場から1ゴール1アシストといきなり勝利に貢献。その後はスタメンに定着し、最終的に4ゴール5アシストを挙げた。北九州としては来季も共に戦ってほしい選手であることは間違いない。

松長根悠仁(福島ユナイテッド)
2021シーズン以来の一桁順位でリーグ戦を終え、J2昇格プレーオフへと進出した今季の福島ユナイテッド。プレーオフ準決勝でリーグ戦順位が上であった松本山雅に勝ちきることができず昇格を逃したが、昨年15位からの立て直しに成功したシーズンだったと言えよう。
そんなチームで、川崎フロンターレから期限付きで加入したDF松長根悠仁は確かな活躍を見せていた。守備での貢献はもちろんのこと、攻撃でも相手の背後を取り決定機を作り出すなど積極的な姿勢を披露。攻守で存在感を大いに発揮していたと言えよう。MF大関と並び、チームに残れば必ずや来季も主力として活躍が期待できるだけに残留を願う声も多いのではないだろうか。

吉田陣平(カマタマーレ讃岐)
2018年にJ3降格を味わって以降、二桁順位から抜け出せずに苦しいシーズンが続くカマタマーレ讃岐。今季も第19節が終了した時点では19位と、シーズン前半戦は苦しい戦いとなった。後半戦、そんな讃岐を上向かせる原動力となったのがアルビレックス新潟から期限付きで加入したMF吉田陣平だ。
シーズン前半は途中出場が多かったが、第21節以降はスタメンに定着。第27節からの5試合では3ゴール3アシストと躍動し、チームの勝ち点積み上げに貢献している。鋭く縦に差し込むパスなど、チャンスメイクが魅力。開幕からシーズンを通して出場が叶えば、さらにチームを勝たせる存在になれる期待も大きいだけに、来季も讃岐で見たいと願うファンやサポーターは多いことだろう。
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