2024シーズンの明治安田J3リーグはすでに第37節までを終え、次節で全日程を消化する。今季、クラブ初のJ3を戦った大宮アルディージャは第8節以降首位をキープし、10月19日に行われた第33節(FC今治戦1-1)を終えた時点で、5試合を残し見事J3優勝と1年でのJ2復帰を果たしている。また、元日本代表監督の岡田武史氏が会長を務めるFC今治は、第36節(ガイナーレ鳥取戦5-0)の結果を受け2位でのフィニッシュが確定。J3参入5年目で念願のJ2昇格を決めている。
今季J3からJ2へ昇格できるのは計3クラブ。前述の上位2クラブが自動昇格となり、3位から6位のクラブが「J2昇格プレーオフ」で残り1枠を争う。第37節終了時点でプレーオフ進出が確定しているのは、すでに3位フィニッシュを決めているカターレ富山と現4位の松本山雅、現5位FC大阪だ。福島ユナイテッド(現6位)とギラヴァンツ北九州(現7位)が6位の座を狙い11月24日の最終戦に挑む。
仮にクラブが昇格を逃しても、シーズン中の活躍を評価された選手が個人昇格を果たすケースも増えている昨今。2023シーズンにはJ3のY.S.C.C横浜からJ1の湘南ベルマーレへFW福田翔生が移籍しており、今シーズン開幕当初にもGK児玉潤がYS横浜から北海道コンサドーレ札幌(J1)へ完全移籍を果たすなど、J3から上位カテゴリーへのステップアップを遂げている。
ここでは、今シーズンJ3で活躍した選手の中から、筆者が上のカテゴリーへ個人昇格する可能性が高いと思う8選手をピックアップしていく。
GK茂木秀(FC岐阜)
2024年5月に行われた第12節(長野パルセイロ戦)で左アキレス腱を断裂。長期離脱を余儀なくされたGK茂木秀だが、今シーズン序盤は安定したパフォーマンスを見せていた。シュートストップに加え、195センチの上背を生かしたハイボール処理にも自信を持っているように感じられる。現在、正ゴールキーパーを固定していないクラブもあるため、J2をはじめ複数クラブが獲得に乗り出してもおかしくはない。
- 生年月日:1999年1月15日(25歳)
- 今季ここまでの個人成績:12試合出場
DF樋口大輝(松本山雅)
今季、専修大学から松本山雅に加入したDF樋口大輝はここまで32試合に出場。樋口の持ち味は何といっても自陣での空中戦の強さではないだろうか。DFながら6ゴールをマークしており、そのうち4ゴールはヘディングでのゴールとアタッカー陣顔負けの得点力を誇っている。プロ1年目でありながらJ3の顔になり得る活躍ぶりで、J1やJ2のスカウト陣からも注目されているに違いない。
- 生年月日:2001年9月10日(23歳)
- 今季ここまでの個人成績:32試合出場6ゴール3アシスト
DF市原吏音(大宮アルディージャ)
19歳ながら今シーズンはここまで31試合に出場しており、大宮のJ3優勝とJ2昇格に大きく貢献した1人でもある。185センチの長身で身体能力も高く、ビルドアップ能力にも優れているまさに万能型センターバックといえるだろう。2028年に開催されるロサンゼルスオリンピック世代の顔ともいえる逸材で、NEXT冨安健洋との呼び声も高い。現所属の大宮残留が基本線であると考えるが、オファー次第ではトップカテゴリーであるJ1クラブへのステップアップや海外移籍も十分にあり得るだろう。
- 生年月日:2005年7月7日(19歳)
- 今季ここまでの個人成績:31試合出場4ゴール1アシスト
MF安光将作(カターレ富山)
アメリカ・ニューヨーク州生まれのMF安光将作は今年でプロ3年目。主に左サイドバックを主戦場とし、今季はここまで35試合に出場している。6ゴール5アシストと攻撃でもタクトを振ることが可能なサイドバックで、昨シーズンに比べ目に見える結果を残しており、今年ブレイクを遂げたと言っても過言ではない。チームは第37節終了時点で3位フィニッシュが決定しており、昇格プレーオフの結果次第ではJ2クラブを中心に争奪戦が繰り広げられそうだ。
- 生年月日:1999年11月2日(25歳)
- 今季ここまでの個人成績:35試合出場6ゴール6アシスト
コメントランキング