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日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)所属の三菱重工浦和レッズレディースは、10月6日にAFC女子チャンピオンズリーグのグループステージ初戦を迎える。これに先立ち、同クラブは10月2日に埼玉県のレッズランドにてトレーニングを実施。この模様を報道陣に公開した。
ここでは10月2日のチームトレーニングの様子と、現地取材で得た同クラブGK池田咲紀子とMF栗島朱里のコメントを紹介する。
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「試合の流れを読む力をつけたい」
浦和RLを率いる楠瀬直木監督はこの日のチームトレーニングで、自陣後方からのパス回し(ビルドアップ)の練度向上に注力。ロングパス1本での局面打開よりも、センターバックによるボール運びやショートパスで相手のプレスを掻い潜ることを求めているふしがあった。
このチームトレーニング終了後、筆者の取材に最初に応じてくれたのがMF栗島。主戦場としている基本布陣[4-2-3-1]のボランチのみならず、直近の試合でサイドバックを務めた同選手は、相手の出方や試合の流れを読む力の重要性を強調している。これこそ、WEリーグ3連覇や女子ACL制覇に向け浦和が突き詰めるべきテーマだ。
ー今日のビルドアップの練習で、栗島選手はサイドバックを務めていましたね。立ち位置についてどんなことを心がけましたか。
「相手のFWのライン(守備隊形の最前列)を越える位置でボールを貰うですとか、自分とペアを組んでいるサイドハーフとのバランスで立ち位置を変えました」
ーサイドハーフとのバランスというのは、(タッチライン際同士など)同じ列で重ならないようにするということでしょうか。
「はい」
ーどちらかと言えばタッチライン際ではなく、その内側で栗島選手はボールを受けていたように見えました。これも相手のプレス(最前線からの守備)に嵌まらないようにするための工夫でしょうか。
「そうですね。どっちで受けようというのはなくて(最初からタッチライン際、もしくは内側に立つと決めているわけではなくて)、相手のプレスを見て立ち位置を変えるようにしています」
ー9月のAC長野パルセイロ・レディース戦(WEリーグ第3節)では、時折繰り出される栗島選手から遠藤優選手(右サイドバック)へのロングパスが効果的でしたね。仮にこのパスが繋がらなくても、相手最終ラインの背後へボールを送ることで、その後敵陣でプレスをかけてボールを奪うという展開に持ち込みやすかったのではないでしょうか。今日の練習を拝見した限り、監督は自陣から丁寧にパスを繋ぐことに重きを置いており、ロングパスでの局面打開をあまりやらない方向という印象を持ちました。実際のチーム事情はいかがですか。
「長野戦でロングパスを出したとき、自分は(サイドバックから)ボランチにポジションを移していたので、(遠藤選手への)パスを出しやすかったですね。点をとるにはあのようなプレーが必要だと思いますし、『(繋がるか分からない)五分五分のボールを出すな』と今日の練習で言われたんですけど、(俊足の)遠藤選手なら五分五分のボールを出しても勝てるので。試合の流れを見つつにはなりますけど、味方の特長も理解しながら、チャレンジのボール(ロングパス)を時折入れるのは効果的だと思います」
ー9月のWEリーグ開幕節(日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦)では、栗島選手が自陣からボールを運んだことで相手の守備隊形が崩れ、これがゴールに結びつきましたね。(2024/25シーズン序盤を見た限り)ボランチやセンターバックの選手によるボール運びを増やしたほうが良いように感じたのですが、監督からも求められていますか。
「そうですね。『センターバックが持ち運んで』と言っているときもありました。ただ、それも相手の状況を見ながらですね。(相手選手を)ひとり引き寄せてからパスを出すことで、相手チームのプレスがずれるならそうしたプレーが必要ですし、試合の流れを読む力というのは全体的につけていきたいですね」
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「ビルドアップを自分たちのものにしたい」
俊敏なシュートストップと、正確無比なロングパスで浦和RLの攻守を支えているのがGK池田。同選手も筆者の取材に応じ、ビルドアップの場面で心がけている点やチーム全体の課題に言及している。
ービルドアップに関わるにあたり、立ち位置やプレー選択で池田選手が心がけていることを教えてください。
「なるべく私が相手のプレッシャー(寄せ)を受けることで、(GK以外の)フィールドの選手へのプレッシャーを軽減できるような立ち位置であったり、ボールの置きどころを心がけています。そこは自分の強みでもあるので、味方の助けになり相手が嫌がるポジションを意識しています。プレーの優先順位は、(相手最終ラインの)背後を狙うことですね。自分でボールを持ったときは(ロングパスを)蹴れるので、それは一番大事にしています」
ー池田選手に限らないのですが、長野戦を拝見したところ、自陣でパスを回すための配置が整っていない状態でリスタートしてしまう(フリーキック等を始めてしまう)ことで、ビルドアップに苦しんでいる印象を受けました。池田選手はどう感じていらっしゃいますか。
「(リスタートに)時間をかけると相手の準備ができてしまう。早く始めれば、相手の準備は整っていないけど自分たちの準備もできないといったこと(難しさ)があります。(2人の)センターバックと私は比較的フリーな時間があるので、その3人でボールを動かしながら、他の味方選手が準備する時間を作る。これができれば良かったのですが、長野さんはハイプレスで前線の選手がハードワークしてくるチームでしたので、なかなかうまくいきませんでしたね。そこは課題ですが、やりたいのはリスタートを早くして、自分たちでボールを回す時間を長くすることです。リーグ戦が始まったばかりなので、トライアル・アンド・エラーを重ねながら、(ビルドアップを)自分たちのものにできればと思っています」
「前線の選手と蹴る選手のタイミングが合えば、(中・長距離のパス)一発で配球することもあります。なるべく自分たち主導でやれたら良いなという思いもありながら、(サッカーは)自分たちだけでやるものではないので。相手の出方も見ながら、自分たちで(戦い方を)擦り合わせていきたいです」
ービルドアップ時のサイドバックの立ち位置について、(最後尾で見ている)池田選手のご意見をお伺いしたいです。サイドバックが低い位置(自陣後方)のタッチライン際に立つことが多く、そこへ横パスが出たときに相手のプレスをもろに浴びている気がします。いかがでしょうか。
「サイドバックのひとつ前のポジション(サイドハーフ)やボランチとのバランス(兼ね合い)でその立ち位置をとっていると思うんですけど、右サイドバックの遠藤選手は足が速いのに、低い位置からスタートしてしまったりすると勿体ないという話は、自分から本人へしています。(前へ)出ていける場面では出ていくべきだし、それには彼女を押し出すため(高い位置をとらせるため)の私やセンターバックのポジショニングが大事です。もっと前(最終ラインより前)の選手のポジションも大事で、そういう部分がうまくできていなかった気がします」
「今は右サイドハーフに(若手の)藤﨑智子選手が入っているので、遠藤選手も彼女を気にかけています。『自分のプレーというよりかはバランスを気にしている』とも(遠藤選手は)言っていました。私たちにできるのは遠藤選手に声をかけて高い位置をとらせるとか、今はボランチの選手が(最終ライン)に降りてくることも多いので、そうしてくれたりセンターバックがもっとボールを運べれば、サイドバックが高い位置をとれます。サイドバックが主導になるのか周りの選手が動かしてあげるのか。もっと突き詰めてやらないといけないと思っています」
ビルドアップの練度向上に余念がなかった浦和RL。自慢のパスワークがアジアのコンペティションで花開くことを願うばかりだ。
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