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日本プロサッカー選手会の実態と裏側。選手の支援はJ1からJ3で格差が?

Jリーグの試合球 写真:Getty Images

 日本プロサッカー選手会(JPFA)をご存知だろうか。現役のJリーガー及びJリーグから海外移籍した一部の選手が所属している組織だ。選手のキャリアサポートや社会貢献プラットフォーム形成、日本サッカー界の今後に向けたルールメイキングなどを行っている。現在は、ロサンゼルス・ギャラクシー(MLS)に所属する元日本代表DF吉田麻也が会長を務めている。

 そんなJPFAの活動の実態や選手に関するサポートの裏側が明かされた。関係者の話では、まずJPFAの会員となるための条件は、Jリーグをはじめとする日本国内のサッカークラブとプロ契約を締結していることであるという。そのため、J3などに所属するアマチュア契約の選手は加入できないようだ。また、一部外国籍選手や海外でプロサッカー選手としてプレーする選手も所属しているとのこと。

 別の関係者によると、JPFAでは選手のキャリア支援の一環として就学支援金制度を設けている。引退後のキャリアや自身のスキルアップを目的に資格を取得する際や講習会に参加する場合、その費用を一部補助しているようだ。上限が定められているが、金額はJ1、J2、J3によって差があるといい、最大で約8割の補助金を受け取ることができる。なお、この金額差はJ3会員は会費が異なることも影響しているようだが、ここでも実力社会という環境が反映されているとも取ることができる。

 この就学支援金は、指導者ライセンスの取得などにも充てることができる他、国家資格も含む様々な資格取得や講座受講にも利用できる。しかし、前出の関係者によれば、予算はあり余っている状態とのこと。なお、JPFAは選手から徴収する会費と一部のパートナー企業などからの協賛金及びJリーグからの補助で運営されている。

 JPFAは「日本サッカー界のトッププレイヤーとして、豊かなサッカー文化の普及および振興に寄与するとともに、相互扶助の精神に基づき、プロサッカー選手の社会的、経済的地位の向上を目的とする」を理念に掲げて活動しており、サッカーの普及活動や選手のサポート以外にも東日本大震災復興支援チャリティオークションの開催など、活動は多岐に渡る。また、シーズンオフにはJリーグクラブと契約満了になった選手が中心となって参加する「Jリーグ合同トライアウト」も行っている。

 引退後に少なからずの不安を抱えながら厳しいプロの世界でプレーするサッカー選手たち。彼らにとっては、JPFAの存在は必要不可欠に違いない。