Jリーグ 横浜F・マリノス

塩貝健人のナイメヘン移籍で話題。吉田麻也、ABC契約改革に「Jクラブは嫌だと」

塩貝健人 写真:Getty Images

 慶応義塾大学のU19日本代表FW塩貝健人は、横浜F・マリノスに特別指定選手に登録されていたが、8月28日にオランダ1部NECナイメヘンへの加入が正式決定。年俸が20万ユーロ(約3230万円)以上とみられ、Jリーグ特有のABC契約制度による弊害を指摘する声が挙がるなか、DF吉田麻也(ロサンゼルス・ギャラクシー)が同制度に言及している。

 現在19歳の塩貝は、2024年1月に横浜FMの特別指定選手に。2027年シーズンからの横浜FM加入が内定していたものの、ナイメヘンと4年契約を締結。加入会見では、欧州5大リーグのトップクラブや、UEFAチャンピオンズリーグ出場クラスのクラブからもオファーが届いていたことを明かしている。

 オランダリーグでは、EU圏外選手の最低年俸が40万ユーロ(約6460万円)に設定されているが、20歳未満の場合は半額の20万ユーロだ。一方で高卒・大卒1年目のJリーガーは原則としてプロC契約を結ぶが、年俸の上限は460万円。海外クラブと比較して、金銭面での条件が劣ることもあり、塩貝をはじめ有望株の欧州移籍が相次いでいる。

 このABC契約を巡る問題は、インターネット動画配信サービス『DAZN』で8月29日配信開始の『内田篤人のフットボール・タイム』で話題に。吉田は「色々な業界で賃上げが叫ばれているが、サッカー界も然り。あまりにも安すぎる。普通に働いた方が良いケースもある。選手の価値を上げるけど、そこから漏れる選手も出てくる」と主張する。

 そして、同選手はJ3リーグ所属クラブの選手から聞いた話などをもとに「日本サッカー(Jリーグ)が良くなるために、この問題を乗り越える必要があると選手も認識している」と、現場での認識共有を強調している。

 さらに吉田は、上限を1000万円以上にするという方向で話し合いが進んでいる現状を明かすと、多くの選手がさらなる年俸等の引き上げを求め、相場が上がる可能性にも言及。「Jクラブは、経営が圧迫されて嫌だと。けど、そういうのをスタンダードとしてやって、選手の価値を上げようということなので」と真剣な表情で語った。