2024明治安田J2リーグは第10節までの日程が終了。昨年J1復帰にあと一歩と迫った清水エスパルスが首位を走り、惜しくもプレーオフ進出を逃したV・ファーレン長崎や冬に積極補強に動いたファジアーノ岡山が追走する序盤戦となっている。
そんなJ2リーグでは、上位勢に限らず各クラブで新戦力の活躍が多く見られる。なかでも特に目を引くのが今季ルーキーイヤーの選手たちだ。ここでは、シーズン序盤戦で早くも躍動し今後さらなる成長が期待される選手たちを5名紹介していく。
浅倉廉(藤枝MYFC)
J3から昇格しクラブ史上初めてJ2へ臨んだ昨シーズンの藤枝MYFC。夏に得点源となっていたFW渡邉りょうと同じく攻撃の核だったMF久保藤次郎がそろってJ1クラブへ個人昇格を果たしたこともあり、結果は12位と中位に甘んじていた。さらに今冬は、昨季背番号「10」を背負ったMF横山暁之が同じJ2のジェフユナイテッド市原・千葉へ移籍。戦力ダウンが懸念されるなか開幕を迎え、実際にここまで2勝2分6敗と思わしくない序盤戦を過ごしている。
しかし、そんなチームにあって大卒ルーキーのMF浅倉廉は高いパフォーマンスを披露している。狭い場所でも細かいボールタッチのドリブルでエリア内まで侵入するなどテクニックの高さを随所に発揮。鋭いシュートも持ち合わせており、いつ初ゴールが飛び出しても不思議はない。今冬新たに加入したFW中島大嘉や昨季終盤は大きな得点源となっていたFW矢村健らに未だゴールがない今、ルーキーにして藤枝の新たな攻撃の核となっている浅倉には今後さらなる活躍が期待される。
大西悠介(いわきFC)
昨シーズン終了後、各ポジションで主力選手の多くをJ1あるいはJ2クラブへの移籍で失ったいわきFC。しかし、ここまでは新加入の若い選手たちが見事に穴を埋め、大きく崩れることなく勝ち点を積み上げている。そんな躍動する新加入若手選手の中で、ひときわ高い守備での貢献度を見せているのがMF大西悠介だ。
ここまで全試合にスタメン出場を果たしており、田村雄三監督からの信頼もうかがえる。ルーキーとは思えないほどの球際の強さを武器に、厳しく素早い寄せで攻撃の芽を摘み取る守備力は一級品。この先まだまだ長いシーズンにおいて、早くも定位置の確保に成功したと言っていいだろう。昨年は69失点とリーグで4番目に多い失点数となっていたいわき。守備の安定が躍進のカギを握るだけに、ここまでの10試合で大西の見せたパフォーマンスにさらなる期待を寄せるファンやサポーターも多いのではないだろうか。
古長谷千博(ロアッソ熊本)
2022シーズンは4位と躍進するも、その冬に多くの主力選手を失ったロアッソ熊本。その影響もあってか昨2023シーズンは14位と昇格から遠ざかり、さらにこの冬もMF平川怜、MF島村拓弥といった主力がチームを去ってしまっている。そんな熊本にとって、大卒ルーキーMF古長谷千博は希望の光と呼べる存在だろう。
開幕スタメンに抜擢されると、第3節の愛媛FC戦ではプロ初ゴールを含む2ゴールをマーク(3-2)。鋭いドリブルを武器に突破力やサイドで攻撃の起点としての活躍を見せ、エリア内での冷静さも実に頼もしい。残念ながら第5節のベガルタ仙台戦で怪我を負ってしまった古長谷。直近は2試合連続で打ち合いを制すことができなかったことも踏まえ、攻撃にアクセントをつけられる存在として1日も早い帰還が望まれている。チームが今季初勝利を挙げる原動力となったルーキーが、怪我明けどんなプレーで魅了してくれるのか楽しみだ。
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