Jリーグ アビスパ福岡

アビスパ福岡OB神山竜一と鈴木惇、独占インタビュー【後編】

リトバルスキー氏(左)篠田善之氏(右)写真:Getty Images

印象深い監督と今後の2人、そして戦友へ

福岡に在籍中、多くの指導者のもとでプレーした2人。特に印象に残っている監督を挙げてもらった。

鈴木「デビューさせてもらったので、リトバルスキー(2007~2008シーズン途中まで指揮)ですね。チームとして結果は出なかったんですけど、シュート練習やボールの受け方、ターンの仕方だとかをよく1対1で見てくれたりして。今考えると贅沢でしたね。個人的に気にかけてもらっていたと思います。リトバルスキーのもとでプレーした選手は多分みんな思っているんですけど、チームの中で監督が1番技術は高く、なかでもキックの精度は右も左も本当に高かった。選手時代に世界一(ドイツ代表として1990年イタリアW杯優勝)になった人だから追い付けるとは思ってなかったですけど、自分も左足のキックには自信を持ってプロになりました。

でも監督はシュートを10本打ったら、7本か8本は確実にゴール四隅のボール一個分のところに行く。それを若い時に見られたので慢心することはありませんでした。それに、すごく負けず嫌い。それを見て(勝負に)こだわるところも学びましたし、気にかけてくれてデビューさせてくれて、クオリティの高さもたくさん見せてもらったので、誰かと聞かれたらパッと思い浮かびますね」

神山「自分は、大怪我したあとも試合に使ってくれた篠田監督(現・ヴァンフォーレ甲府監督)ですかね。篠田さんとは2010年にJ1昇格しましたし、その印象はデカいです」

鈴木は現在、リトアニアでプレーを続けており、現役への思いは強い。

鈴木「海外で現役をできるだけ長く続けたい。今年1年リトアニアでプレーをして、違う文化に触れて、凄く世界が広がりました。自分自身がもっともっと努力しなきゃいけないと感じられたので、それを活かしていろいろな国で視野を広げていきたいですね」

神山は福岡退団後ラインメール青森に移籍し、2020シーズンをもって引退。現在は福岡県の強豪、東福岡高校でGKコーチを務めている。

神山「自分がやってきたこと、良いと思ったこと、指導するなかで経験してきたことを高校生に伝えていけたらと思っています。GKって試合中はそんなにきつくないんですけど、1本のキャッチ、1本のセーブのために練習でハードワークしないといけないポジション。そのためにも練習量や練習の質に関しては、生徒たちに甘さなく、強く、厳しいかもしれないですけど伝えていきます。

選手を辞めて指導者をやりたいという気持ちはありましたけど、サッカーしかやってこなかったから社会勉強をしたくて、サッカーから一時離れていました。いろいろやった後で指導者に戻れたのは良かったですし、日々勉強です。選手をやるのとは全く違うので、そこは毎日面白さと難しさを感じています」

最後に現在の福岡へエールをお願いすると、チームとともに戦友へ神山らしい言葉をくれた。

神山「次で4年目とJ1に定着はしつつあるので、それを持続しつつ上位争いや優勝争いしていってもらえたら。あとはやっぱり、城後がいつ辞めるのか(笑)そこは引き続き注目しています。今年で20年目、凄くないですか。あとちょっとで500試合出場(現在J1およびJ2のリーグ戦通算487試合)なので、そこは現役中に達成してほしいですね」

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名前椎葉 洋平
趣味:サッカー観戦、読書、音楽鑑賞
好きなチーム:アビスパ福岡、Jリーグ全般、日本のサッカークラブ全般

福岡の地から日本サッカー界を少しでも盛り上げられるよう、真摯に精一杯頑張ります。

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