その他 女子サッカー

開幕戦は白星!マイナビ仙台、期待の新星と今後の課題【WEリーグ2023/24】

マイナビ仙台 MF遠藤ゆめ 写真:©WE LEAGUE

期待の新星FWカーラ・バウティスタとMF遠藤ゆめ

強みの1つとして「スピード」が挙げられていた昨2022/23シーズンのマイナビ仙台。もちろん個人差はあるものの、マンチェスター・ユナイテッド・ウィメン(イングランド1部)に移籍したMF宮澤ひなた、セレッソ大阪ヤンマーレディースに移籍したFW矢形海優、そして現在期限付きでノースカロライナ・カレッジ(アメリカ1部)へ移籍中のMF松窪真心と、スピードを強みとした選手たちがチームを牽引していた。しかし、彼女たちを失って迎えた今シーズン第1節では、スピード面でエルフェン埼玉にやや押され気味であった。今シーズンを戦う上で、スピードの底上げが課題の1つになるだろう。

一方、非常に期待できる点として、新規加入した海外選手たちの活躍が挙げられる。今季のマイナビ仙台は、特別指定や育成組織TOP可選手を含めた全32名中6名が海外選手。これはWEリーグ所属クラブの中で最も多い人数だ。開幕戦でパワフルなPKゴールを決め、早速スポットライトを浴びたのがスペイン出身のFWカーラ・バウティスタ。カーラは2013年から母国スペインを拠点に、1部リーグのレアル・ソシエダ・フェメニーノやバレンシアCFフェメニーノ、そして直近ではフンダシオン・アルバセテで経験を積んできた選手。相手チームからパワフルにボールを奪うことはもちろん、貫禄あるPKゴール後に見せたパフォーマンスなど、サッカー経験の深さを垣間見ることができた。

更に新スターとして期待されているのが18歳のMF遠藤ゆめ。中学時代からマイナビ仙台のユースチームで長く経験を積んできたが、今年7月29日にトップチームへの昇格が内定。正式加入は来年2月からとなるが、開幕戦ではすでにスターティングメンバーとして出場を果たした。緻密なドリブルやパス回しが得点の鍵となり、新たなスターとしての頭角を見せていた遠藤。特にMF中島依美との息のあったプレーや、DF佐々木里緒とMF佐々木美和による“SSコンビ”との絡みで得点チャンスを多く生み出すなど、今後の試合でも様々な選手との科学変化が非常に楽しみだ。


日テレ・東京ベレーザ 写真:©WE LEAGUE

好スタートのマイナビ仙台と日テレ・東京ベレーザ

全5試合が行われたWEリーグ第1節で好スタートを切ったのは、相手チームから3得点を奪い勝利を収めたマイナビ仙台と日テレ・東京ベレーザだ。全試合結果は下記の通り。

  • ちふれASエルフェン埼玉VSマイナビ仙台レディース:1-3
  • ノジマステラ神奈川相模原VS大宮アルディージャVENTUS:0-1
  • INAC神戸レオネッサVSアルビレックス新潟レディース:1-0
  • セレッソ大阪ヤンマーレディースVSジェフ千葉レディース:1-0
  • 日テレ・東京ベレーザVS長野パルセイロ・レディース:3-1

ここで、昨シーズンの順位トップ5を見てみよう。※括弧内は勝点

  • 1位:三菱重工浦和レッズレディース(52)
  • 2位:INAC神戸レオネッサ(44)
  • 3位:日テレ・東京ベレーザ(42)
  • 4位:マイナビ仙台レディース(27)
  • 5位:サンフレッチェ広島レジーナ(24)

上位3クラブと4位以下の勝点差が大きいことがわかる。

もちろん順位そのものも大切だが、勝点に着目するとまた違う視点でも試合を楽しめる。勝点数が増え、各クラブの差が縮まれば縮まるほどWEリーグ全体のレベルも高まる。ひいては、なでしこジャパン(日本女子代表)のレベル向上にも大いに影響してくるだろう。誕生して間もないWEリーグが、世界に注目されるリーグになれるよう、期待し応援したい。

ページ 2 / 2

名前:Molly Chiba
趣味:自然散策、英国のあれやこれやをひたすら考えること
好きなチーム:トッテナム・ホットスパーFC

東北地方の田園に囲まれ育ちました。英国のフットボール文化や歴史、そして羊飼いやウールなどのファッション産業などに取り憑き、没入している日本人女性です。仕事のモットーは、伝統文化を次世代に繋ぐこと。

筆者記事一覧