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実は危なかった浦和の守備。決勝進出への修正点は【ルヴァン杯準決勝】

浦和は[4-4-2]の守備隊形で横浜FMに対抗

概ね機能した浦和の守備

この日の浦和は攻撃面のみならず、守備面の狙いも明確だった。

横浜FMがDF上島拓巳と角田の2センターバックからパスを繋ごうとするやいなや、浦和陣営はカンテと早川(前半途中よりMF関根貴大)が最前線で横並びとなり、[4-4-2]の守備隊形をセット。基本布陣[4-2-1-3]の横浜FMの2センターバックから2ボランチへのパスコースを塞ぎ、中央突破を封じようとしていた。

ハイプレス一辺倒ではなく、[4-4-2]の隊形のまま自陣へ撤退する場面もしばしば。5月6日のAFCチャンピオンズリーグ決勝(アル・ヒラル戦)と同じく、守備のメリハリが利いていた。横浜FMの攻撃を概ね防ぎ、カウンターからチャンスを作れていた点を踏まえると、第2戦も同じような戦い方で臨んで良いだろう。


浦和レッズ MF岩尾憲 写真:Getty Images

浦和が突き詰めるべき守備の細部

浦和の守備は概ね機能していたが、危ない場面がなかったわけではない。前半2分、横浜FMの左ウイングFWエウベルが浦和MF岩尾憲(2ボランチの一角)の隣へ降り、味方センターバック角田からの縦パスを受け取り。その後のエウベルのパスが乱れ、小泉がボールを回収したことで大事には至らなかったが、横浜FMの速攻に繋がっていてもおかしくない場面だった。

前半5分には、横浜FMのMF渡辺皓太が岩尾の斜め後ろに立ち、味方DF上島の縦パスを受け取っている。渡辺を捕捉できなかった点も然ることながら、浦和の選手による上島への寄せやパスコースの限定が甘かったのも問題だ。

前半9分の横浜FMの攻撃シーンでも、センターサークル付近でボールを保持した上島に、浦和の選手のプレスがかかっていない。ゆえに上島から横浜FMのDF永戸勝也(左サイドバック)へのロングパスが繋がってしまい、浦和は攻め込まれている。2ボランチの隣や斜め後ろを狙ってくる相手選手を確実に捕まえる。2トップの片割れが相手のボランチへのパスコースを塞ぎながら、ボールを持っている相手センターバックにじわりじわりと寄せる。浦和が第2戦に向けて磨き上げるべきは、この守備だろう。敵陣でのボール奪取からの速攻(ショートカウンター)や決定機の数を増やすという意味でも、最前線を起点とする守備のブラッシュアップは急務だ。

横浜FMの自陣からのパスワークと、浦和のプレッシングのどちらが勝るのか。第2戦は特にこれが勝敗を分けるポイントとなりそうだ。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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