プレミアリーグ マンチェスター・シティ

ハーランドのゴール期待値0。アーセナル戦で「敗因ではなく被害者」のワケ

アーリング・ハーランド 写真:Getty Images

 日本時間10月9日、プレミアリーグ第8節でマンチェスター・シティがアーセナルと対戦し、0-1で敗北した。シティ所属のノルウェー代表FWアーリング・ハーランドのゴール期待値が0だった不振ぶりに注目が集まったが、各国海外メディアは敗因は別にあると報じている。

 シティはプレミアリーグでアーセナルと対戦した直近12試合で全勝。その間の成績は33得点5失点であり、最後に敗退したのはアーセン・ベンゲル監督が率いていた2017年4月まで遡る。現在アーセナルを指揮するミケル・アルテタ監督は、リーグ戦でシティに全敗を喫していた。

 シティを指揮するジョゼップ・グアルディオラ監督は、アーセナル戦における選手起用と配置の意図をこう説明している。

 「ロドリ(スペイン代表MFがいなかったので、ボールを保持しながら守備を強化したかった。ボールを扱うのが上手いベルナルド・シウバ(ポルトガル代表MF)、マテオ・コバチッチ(クロアチア代表MF)、リコ・ルイス(U21イングランド代表DF)を(中盤に)置いて(その前に)ターンと攻撃能力に優れるフリアン・アルバレス(アルゼンチン代表FW)とフィル・フォーデン(イングランド代表MF)を配置した。それが我々がそれほどワイドではなかった(中央に選手が多かった)理由だ」

 この選択について米メディア『ESPN』は「中盤にベルナルド・シウバ、マテオ・コバチッチ、リコ・ルイスを使用するグアルディオラ監督の選択は、アーセナルを窒息させることができたかもしれないが、同時にシティの創造性の多くを犠牲にした」と綴った。

 英メディア『Opta Sports』も「グアルディオラ監督がボールを持って守備をしようと考えていたのは明らかだった。しかし、ロドリ(スペイン代表MF)と(ケビン)デ・ブライネ(ベルギー代表MF)の突破力がなければ、シティは攻撃力を欠き、アーセナル守備陣の前でパスを回すのが精一杯だった」と不在選手らの重要性を綴った。

 そして、英メディア『The Athletic』は、シュート数(0)とゴール期待値(0.00)に注目が集まったハーランドについて、シティ全体に原因があると述べている。

 「シティが密集地帯の狭いスペースを突くことができず、ファイナル・サードに向かってプレーメーカーを見つけることができないのであれば、ハーランドのゴール期待値(xG)が0.00だったのも不思議ではない」

 「ハーランドの不振は、大体がタッチ数で測られるが、それはチームメイトが彼に得点のチャンスを与えられなかったことを意味する。日曜日(アーセナル戦)のハーランドはシティが苦戦した被害者であって、敗因ではなかった」

 ハーランドは、全公式戦(プレミアリーグ、UEFAチャンピオンズリーグ、EFLカップ)を合わせ直近4試合ノーゴール。いずれにせよ2018年以来のリーグ戦連敗に苦しむシティは、10月21日にホームで日本代表MF三笘薫が所属するブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンと対戦する。ロドリも出場停止から復帰となる同試合に注目が集まる。