修正すべきポイント3:ビルドアップ時のCBの体の向き
同じく前半15分の湘南のビルドアップにおける、ボールを保持したセンターバックの体の向きも修正ポイントのひとつだ。
ここでは湘南のセンターバック大野が自陣ペナルティエリア手前でボールを保持したが、即座に体を左に向けてしまったため、広島の選手たちにパスコースを読まれる形に。大野から杉岡への横パスが、広島のハイプレスのスイッチとなってしまった。
この場面では大野が対面の相手FW加藤陸次樹と正対し、左右どちらにもパスを出せる体の向きを整えていれば、広島陣営としてはプレッシングの的を絞りづらかっただろう。J1リーグ残留に向けて、こうした細部も突き詰めたいところだ。
湘南復帰の田中聡が挙げた課題
KVコルトレイク(ベルギー)への期限付き移籍を経て、今夏に湘南に復帰したMF田中聡。基本布陣[3-1-4-2]の中盤の底でプレーした今節も、相手のプレスを物ともしない強心臓は健在だった。
その安定感は、「五分五分のボールだとどっちにこぼれるかわからないんですけど、聡の場合はマイボールにできるので本当に頼もしいですし、助かっています」と大野が試合後に述べたほど(同クラブ公式ホームページより引用)。早速湘南に活力をもたらした田中は、広島戦終了後の質疑応答でビルドアップにおける自身の課題について語っている。
-アンカー(中盤の底の選手)として、奥野耕平選手はあまり動きすぎないことを意識しているという話を以前していたが、(田中選手が)意識していることは?
「耕平くんは真ん中で器用にプレーできる選手で、僕はボールに執着しちゃうタイプなので、それがいい時もあれば悪い時もあると思います。今は(ボールに)寄ったほうがいい場面とか、今は真ん中にいたほうがいいとか、そういうことを状況に応じて判断してプレーできたらと思います。そうすれば、自分が中継役になって、チームの攻撃の時間も増えると思うので、そこはもっとやっていきたいです」(同クラブ公式ホームページより引用。一部補正)
田中が相手の最前線と中盤の間、もしくは相手FWや中盤の選手の斜め後ろにタイミング良く顔を出し、自軍のビルドアップを手助けできるか。欧州での武者修行で培った、的確なポジショニングを実践したいところだ。
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