王者アメリカはプレッシャーを活かせるか
今大会でアメリカの選手が着ている、白地に青の飛沫模様をあしらった爽やかなホームユニフォームには、首元内側に「91、99、15、19」と4種の数字が金色で刻まれている。これは女子W杯の第1回目(1991年)以降、アメリカが優勝した西暦の下二桁を示す数字だ。女子W杯において最多優勝国であるアメリカ。この成績は誇りであり、絶対的なものとして存在している。しかし、この強すぎる「優勝」へのプレッシャーが、アメリカの今後を左右する鍵となりそうだ。
27日のオランダ戦では、先制点を奪われた状況に焦りバランスを崩してしまった。もしかすると、どこかにチャンピオンの余裕があったのかもしれない。しかし、プレッシャーからの焦りがMFホランのヘディングシュートを生み出し、メンバーを鼓舞する結果になったとも言える。今回の試合では、そこに行き着くまでに時間を要してしまい、勝利することは叶わなかった。
王者ゆえの大きなプレッシャーを上手く味方にできるかが、アメリカの運命を左右するポイントになると言っても過言ではないだろう。
ノックアウトステージは番狂わせの予感大
今W杯開幕から現在までに終了した試合の中で見どころだったのは、23日に行われたジャマイカ対フランス(グループF)だ。FIFAランク43位のジャマイカが5位のフランス相手に1点も取らせず0-0で引き分けに落とし込むというミラクルが起こった。
ひょっとすると今年のW杯は、全体的にFIFAランキングが大きく覆る内容となるのではないか。8月からは順次ノックアウトステージの試合がスタートする。それまでにいずれの代表チームも出来るだけ勝点を重ね、次の段階に進みたいことだろう。
われらが日本女子代表(なでしこジャパン)も、31日にスペイン(FIFAランク6位)との大勝負を控えている。スペインは26日のザンビア戦で5-0と圧勝。日本同様ザンビアに大きく点差をつけて勝利し、現時点での勝点は両国ともに6。かなりヒートアップする試合になりそうだ。なでしこの緻密な頭脳プレーに期待が高まる。
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