2022/23シーズンのプレミアリーグは、マンチェスター・シティが見事3年連続となる優勝を果たし、日本時間5月29日の最終節をもって幕を閉じた。全20チームで争われた同シーズンは、全380試合で歴代最高となる1084本のゴールが生まれた。
2010年代からプレミアリーグで優勝争いを繰り広げる「ビッグ6」(マンチェスター・シティ、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、リバプール、トッテナム・ホットスパー、チェルシー)が1位から順当に並ぶなか、4位にニューカッスル・ユナイテッドが入り込んだ。世界最高峰の戦いであるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)への出場権は4位までとなっており、ビッグ6以外のチームがCLの出場権を獲得するのは2015/16シーズンのレスター・シティ以来8年振り、ニューカッスルとしては2002/03シーズン以来、実に21年振りとなる。
ここでは、2022/23シーズンのプレミアリーグTOP6クラブの得点と失点に関するスタッツを振り返り、それぞれの特徴を検証しよう。
1位:マンチェスター・シティのスタッツ
得点数
全試合総合1位:94ゴール(ホーム1位:60ゴール/アウェイ3位:34ゴール)
ゴール期待値
全試合総合1位:2.16(ホーム2位:2.28/アウェイ1位:2.05)
失点数
全試合総合20位タイ:33ゴール(ホーム18位タイ:17ゴール/アウェイ20位:16ゴール)
失点期待値
全試合総合20位:0.99(ホーム20位:0.91/アウェイ20位:1.07)
2022/23シーズンの得点王を獲得したFWアーリング・ハーランドを中心とした攻撃に目が奪われがちだが、守備のスタッツでも素晴らしい結果を残しているマンチェスター・シティ。ゴール期待値からもわかる通り、シーズンを通して確率の高い攻撃を繰り返し得点を量産。
さらに失点期待値では、ホーム、アウェイ共に20位を獲得する高い守備力を発揮し、プレミアリーグ3連覇を果たした。これは、ライバルであるマンチェスター・ユナイテッドと肩を並べる記録である。来シーズン、プレミアリーグ史上初となる4連覇を達成できるか注目だ。
2位:アーセナルのスタッツ
得点数
全試合総合2位:88ゴール(ホーム2位:53ゴール/アウェイ1位:35ゴール)
ゴール期待値
全試合総合2位:2.13(ホーム1位:2.5/アウェイ2位タイ:1.77)
失点数
全試合総合18位タイ:43ゴール(ホーム7位タイ:25ゴール/アウェイ19位:18ゴール)
失点期待値
全試合総合19位:1.21(ホーム19位:1.06/アウェイ19位:1.35)
2022/23シーズン、トップに一番長い間君臨していたアーセナル。プレミアリーグで10ゴール以上の記録を持つ選手が4人在籍している。これは全20チーム中で最も多い数字であり、攻撃に多くの有望タレントがいることを示している。得点数とゴール期待値においてはシティに負けない素晴らしいスタッツであり、守備のスタッツも同様に素晴らしい数字である。
それと反比例しているのがホームでの失点数。ランク外の7位タイでシーズンを終えた。来シーズンは守備を改善し、2003/04以来20年振りの優勝を目指して欲しい。
3位:マンチェスター・ユナイテッドのスタッツ
得点数
全試合総合7位タイ:58ゴール(ホーム6位タイ:36ゴール/アウェイ10位タイ:22ゴール)
ゴール期待値
全試合総合5位タイ:1.82(ホーム6位:1.97/アウェイ5位:1.68)
失点数
全試合総合18位タイ:43ゴール(ホーム20位:10ゴール/アウェイ8位:33ゴール)
失点期待値
全試合総合13位:1.49(ホーム14位:1.31/アウェイ11位:1.68)
イングランドのリーグカップであるカラバオ・カップ(EFLカップ)では優勝を果たしたものの、肝心のプレミアリーグでは惜しくも3位となったマンチェスター・ユナイテッド。ホームでの敗戦は1度のみと好調だったが、反面アウェイでの成績は良いとは言えない結果だ。
ホームでの勝ち点がリーグ2位を記録しているにも関わらず、アウェイでは5位。攻撃に関するスタッツを見ると、アウェイでのゴール期待値を除く得点に関するスタッツがTOP6クラブで最下位に位置するなど、不安の残るシーズンとなった。
失点数のスタッツはアウェイを除き素晴らしいものの、期待値は決して褒められたものではない。守備の構築には改善が必要だろう。このスタッツから、GKダビド・デ・ヘアの活躍に助けられていることも読み解ける。来シーズンはアウェイでの成績を改善し、2012/13以来11年振りの優勝を果たすことができるだろうか。
コメントランキング