明治安田生命J1リーグのヴィッセル神戸はMFアンドレス・イニエスタの退団が確実と報じられる中、6月6日にラ・リーガ(スペイン1部)バルセロナと対戦すると公式発表。6月7日に組まれていた天皇杯2回戦の日程変更に「公式戦より親善試合を優先か」という批判が集中する中、神戸サポーター団体がクラブに説明を求めている。
神戸と来年1月まで契約を残すイニエスタの去就については、複数の海外メディアが「中東やMLS(アメリカ・メジャーリーグサッカー)が移籍先候補に挙がっている」と報道。6月6日開催のバルセロナ戦をもって神戸を退団するとの見方が広まっている。
また神戸の天皇杯2回戦については、当初6月7日にAC長野パルセイロとAS. Laranja Kyoto(AS.ラランジャ京都)の勝者と対戦する予定だった。しかし日本サッカー協会(JFA)は、「ヴィッセル神戸からの申し出を受け天皇杯実施委員会での協議を経て6月14日(水)19:00に変更することを承認決定いたしました」とリリース。
この天皇杯の日程変更が認められたことに対して、ツイッター上では「公式戦よりも親善試合優先か」、「フェアではない」、「いちクラブの都合優先はおかしい」など反対意見が噴出。「神戸の不戦敗にすべき」という厳しい声が上がっているほか、天皇杯の開催規定で定められた罰則に関する投稿も多く見られる。
そんな中、神戸サポーター団体『S.U.K.F.サポーター連合』は12日午前に声明を発表。「クラブへの要請について」と題して、「2023年6月6日に行われるFCバルセロナとの特別試合の発表以降、天皇杯の日程変更やホーム外である東京開催問題、及び優勝を目指すリーグ戦への懸念。そして、イニエスタ選手の去就問題が重なる中で、ここに至るまでファン・サポーターへの情報発信が十分でない」と指摘。クラブに対して以下の4点を要請している。
「選手のために:クラブは、ヴィッセル神戸及び来日するFCバルセロナの選手たちの精神的な支援や肉体的なコンディショニング、パフォーマンスを発揮するための最大限のサポートとマネジメントを行うと共に、初優勝を目指す選手たちにリーグ戦に集中できる環境を提供するよう願いたいと思います」
「イニエスタ選手とサポーターのために:クラブには、イニエスタ選手と神戸の5年にも及ぶ特別な関係の維持、発展を念頭におき残留交渉に全力で取り組んでほしいと考えております。なお、それが叶わず退団となる場合、バルサ戦を最終試合とせず、ホームである神戸開催試合でサポーターと直接挨拶の場を設けることを約束いただきたいと思います」
「地域のために:クラブは、ホームタウンでの地域活動が重要です。サッカーを通じて地域の活性化に貢献することは、クラブとしての社会的責任を果たすことでもあります。今回の東京開催によるホームタウンのあり方、リーグ戦初制覇に向けた覚悟を問う声の真意、その心情に寄り添った対応(情報発信)が求められています。地域と共に歩み、地域の人々と一緒に応援する姿勢を大切にし、地域との連携をより一層強化してほしいと願っております」
「サッカー界のために:クラブが、バルサ戦開催により日程変更を受けた天皇杯対戦クラブの選手、サポーターの来場にあたって快適に過ごせるよう心配りを行うことを願います。また、クラブとしてサッカー界全体の発展に寄与することも大切です。天皇杯の格式を重んじ、健全な発展に向けて、他クラブや協会と協力し、先頭に立つ想いで一層取り組んでほしいと思います」
この神戸サポーター団体の声明は、瞬く間にツイッター上で拡散。「至極当然」、「サポーターの意見を代弁してくれてありがたい」、「とても納得感のある内容」と支持が広まっているだけに、クラブ側の対応に注目が集まる。
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