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元福岡DF輪湖直樹「サッカーが教えてくれた全て」独占インタビュー

インタビュー中の輪湖直樹氏 写真:Football Tribe

現在はパーソナルトレーナーとして

ー現在は主にSNSなどで募集し、パーソナルトレーニングを実施していますね。具体的にどれくらいの料金でできるのですか?

輪湖:60分で8,800円プラス交通費です。対象は福岡県内と決めている訳ではないんですが、県外だと交通費が高額なので現実的じゃないと思っています。指導する場所は公園で行うのが8割ぐらいですね。60分の中でも最初と最後では感覚が変わってきますし、おそらく練習に取り組む際の意識が変わるので、自分で言うのもなんですが、すごく良いと思っています。

ーSNS上でアビスパ福岡の川森社長と「一緒にお仕事しましょう」というやり取りをされていましたが、何か進展はありましたか?

輪湖:社長自身と直接はお話できていませんが、スクール関係の方とは話しました。ただ、ちょっと難しい側面があって、今のところまだ実際に形になったものはありません。パーソナルレッスンのアビスパ版というのはまだできていないです。

ー4月10日には、指導者としてアビスパ福岡の練習に参加されていました。現役の頃と比べてどのような違いを感じましたか?

輪湖:視点が変わりましたね。選手の時は、コーチングスタッフがどこまで考えているのかというのはわからない部分でした。けれど(4月10日に)スタッフルームに入っていろんな話をしている中で、選手たちが思っている以上に、スタッフは個別に選手たちのことを考えているんだなというのがすごくよく分かりました。

ーこれから進む道について、どんなイメージをお持ちですか?

輪湖:今後、指導者になるかどうか分からないですけど、すごく興味のある分野ではありますね。パーソナルトレーニングでは小学生、中学生、高校生、大学生、1番上は自分より年上の方まで様々な年代の方に教える機会があるので、それぞれが自分の学びにもなります。いろんな方への指導を短い時間で経験できるので、今後例えばどこかのチームに所属して、ある年代を受け持つ時にも活かせる経験ができていると思います。


輪湖直樹氏(当時アビスパ福岡)写真:Getty Images

SNSで解説やアドバイスも積極的に発信

ーTwitterではプレーの解説もされていますが、解説者への興味はありますか?

輪湖:もちろん興味はありますけど、試合の解説者をしているとプレーがどんどん流れていっちゃいます。Twitterだとプレーを何回も観れるのでちょうど良いんです。今はプロを目指している選手たちに向けて、考え方やプレーのヒントになればと思ってやっています。

ー現役の頃は積極的に発信するイメージはありませんでしたが、引退後はSNSで発信する機会が増えていますね。ご自身の中で、なにか変化があったのでしょうか。

輪湖:選手の時はあまり発信していなかったんですけど、現役の時にも自分が考えていたことを書き留めていました。それは、選手の時の気持ちを忘れないため。学生からプロになる時、徐々にではなく一気にステップアップしなければならないんです。学生選手がプロの練習に参加すると、だいたいはスムーズにプレーできていません。ちょっと違った考え方をしているように感じたことがありました。そういう、自分自身がプロを経験したからこそ分かることもあったので、そのときの感覚を忘れないために書いていました。

現役の時はプレーすることが仕事ですし、そういうことを発信するのが難しい面もあって意図的に控えていました。でも今はできるので、しています。当時は学生に教えるとは思って書いていなかったんですけど、いつか学生を教える機会があったら活かせるのではと思います。

ー輪湖さんは試合前、自分なりのストレッチで気持ちを高めていたそうですね。日本のクラブには欧州のようなメンタルコーチはいませんが、この職種に興味はありますか?

輪湖:興味はあるかもしれないです。サッカーに限らず、アスリートは「心技体」全部が揃っていないといけません。まず「心技体」のうちの「技」(技術)が高くなければプロになれません。でも、その中で「心」メンタルの部分が備わっていないと、プロの舞台で活躍することができませんし、長く居続けることができないというのは、プロを長年経験してきて強く思ったことの1つです。

メンタルの部分は、自分の中で今一番大事なんじゃないかと感じています。学生の頃からメンタルを備えていくのは難しいと思いますが、すごく重要だと思っています。noteやSNS、いろんなとこで発信していく中で、皆さんに伝えたい部分でもあります。ただメンタルコーチへの興味はありますが、現時点日本のクラブでどれほど需要があるのかには少し疑問を感じます。


プレー中の輪湖直樹氏(右)写真:Getty Images

楽しめる選手はどんどん伸びる

ー長年左サイドバックでプレーされました。近年、サイドバックの重要性が増しているように感じますが。

輪湖:例えば内側でプレーしたり、近年サイドバックに求められることが増えてきています。それを難しいなと思うんじゃなくて「自分がゲームをコントロールできるんだ」と思える選手は、楽しめて上にいく選手だと思いますし、そういう選手が今のサイドバックに求められています。楽しめる選手はどんどん伸びていきますし、求められているサイドバック像にどんどん近づいていくと思います。

ー輪湖さんにとって、サッカーとはどのような存在ですか?

輪湖:小学1年生からここまでずっとサッカーをやってきたので、本当に人生そのものです。喜びも感動も、悔しさ、苦痛、仲間の大切さ、成し遂げること、試行錯誤して壁を乗り越えることなど、何もかもサッカーから学んできました。良いことをしていれば神様は見ているし報いてくれる「必ず報われるんだ」ということもサッカーから学びました。

ーありがとうございました。

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名前椎葉 洋平
趣味:サッカー観戦、読書、音楽鑑賞
好きなチーム:アビスパ福岡、Jリーグ全般、日本のサッカークラブ全般

福岡の地から日本サッカー界を少しでも盛り上げられるよう、真摯に精一杯頑張ります。

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