Jリーグ 川崎フロンターレ

川崎サポ団体が声明「今後も対話を…」浦和戦前に吉田社長からメッセージ

川崎フロンターレのゴール裏 写真:Getty Images

 川崎フロンターレの吉田明宏代表取締役社長は今月23日、明治安田生命J1リーグ第9節の浦和レッズ戦前にホームゴール裏のサポーターに対してメッセージを発信。サポーター団体『川崎華族』が同社長のメッセージ内容を明かすとともに、今後のクラブ側との関わり方について声明を発表した。

 『川崎華族』は今月5日に行われたYBCルヴァンカップの浦和戦後に「地域密着は後回し。功労者は次々と辞めていく。吉田、富士通体制の事業方針はこのままでいいのか?」、「PwCさん、地域から愛されるフロンターレへ導いてください」、「どんな時も俺達は鬼木フロンターレを後押しし続ける」と書かれた横断幕を掲出。

 一部スポンサーから「J1制覇してから、クラブスタッフの訪問がなくなった」、「殿様商売だ」という批判が沸き起こる中、吉田社長は「地域貢献活動は、クラブ創設以来、フロンターレが長年にわたって積み重ねてきた活動であり、クラブの存在意義にも関わる非常に重要な活動でもあります」

 「しかし、ここ数年、新型コロナウイルスの影響で、地域の皆さんとの交流が希薄になっていたことは否めません。コロナ禍の制限された環境でも私たちなりに進めていたつもりではありましたが、どこかで慢心やコロナ禍だからという甘えがあったかもしれません。改めて振り返ってみると、ここ数年の活動には反省すべきがあると考えています」と公式サイトを通じて謝罪。23日の浦和戦前には、サポーターにむけて地域密着活動継続の方針を改めて伝えていた。

 これをうけて『川崎華族』は25日に「サポーターも街に出よう」という見出しのもと、吉田社長とのやり取りについて以下のように綴っている。

 「23日の浦和戦の試合前、フロンターレ吉田社長がGゾーン前でトラメガを持ち、私たちサポーターの前で『今回の件を契機にクラブ一丸となって地域活動をやり直していく』とのクラブ方針を言葉にしていただきました。またそれと同時に、サポーターに向けた呼び掛けがありました」

 「サポーターと一緒に街に出て行くことで、この川崎市を共に盛り上げていきたい」、「皆さんの力を貸して欲しい」

 「私たち応援団は、吉田社長のこの決意表明をしかと受け止め、メンバー一同、引き続きクラブの地域活動に積極的に協力していく所存です」

 またサポーターに対しては「クラブから要請があった時には、お気に入りのフロンターレユニフォームを着込み、フロンターレブルーのグッズを身に付け、ぜひ皆で一緒に街に出て行きましょう。そして、商店街や地域の皆さまと直に触れ合い、皆の気持ちを一つにして、街の景色を鮮やかなフロンターレブルーに染めていきましょう。もっともっと私たちのホームタウン・川崎市を盛り上げていきましょう。ご協力をよろしくお願いいたします」と、メッセージを送っている。

 さらに今後の方針について、「スタジアムでの横断幕掲出以降、私たち応援団としましては、吉田社長をはじめ、幹部を含むクラブスタッフの皆様と何度も話し合いの場を持ち、私たちが公表した声明文の内容に関して意見交換を重ねてきました」

 「特に、声明文の中で言及したポスター配布やタペストリー掲出については、配布や掲出自体ももちろん大事だけれども、それをきっかけにして商店街や地域の皆さんと顔を合わせて交流を図り、互いの絆を深めることが活動の真の目的であるということ、そして、それこそが先人たちが大切にし、私たちサポーターが共感してきた、フロンターレならではの地域密着活動の原点であるということをしっかりと伝えました」

 「さらに、吉田社長に対しては、街に出て行く活動の意味を今一度クラブスタッフ全員に周知徹底して欲しいとお願いするとともに、活動をしていく中でもし人手が足りない場合には、遠慮なく広くサポーターに助力を要請して欲しいということもお伝えしました」

 「クラブとはこれで終わりではなく、吉田社長も交えた話し合いの場を定期的に持ち、フロンターレがこれからも地域の人たちに愛されるクラブであり続けるためにはどうしていったらよいかを徹底的に議論し、私たちからも具体的な提案をさせていただくなど、今後も建設的な対話を続けていく予定です」

 「このたび私たち応援団がスタジアムで横断幕を掲出した一件に関しましては、各方面から本当にいろいろなご意見を数多く頂戴いたしました」

 「そんな中、クラブの現状に対する率直な想いを取り纏めて連絡をくださいました商店街の皆様、私たちの声明に対しSNS等で賛同する声を上げていただいた地域のスポンサー様やサポートショップ様、誠にありがとうございました。本当に心強かったです」

 「皆様がフロンターレをスポンサードしていることを心底から誇りに思えるよう、私たち応援団メンバーはこれからもクラブを全身全霊をかけて盛り立てていきますので、引き続きフロンターレへの変わらぬご支援のほど、よろしくお願いいたします」としている。