横浜FCは、クラブ公式Facebookページ(日本語版)で3月末からベトナム語による投稿を始めた。目的は、同クラブ所属のベトナム代表FWグエン・コン・フオン(28歳)の近況を母国のファンに届けるためのもの。しかし公式戦で全く出番を与えられないにも関わらず、コン・フオンのトレーニング風景を公式SNSに投稿するクラブに対し、ベトナム人ファンは逆に苛立ち募らせている。
今季ベトナム1部ホアン・アイン・ザライ(HAGL)からJ1リーグ横浜FCに完全移籍で加入したコン・フオンは、ここまでリーグ戦で一度もベンチ入りがない。YBCルヴァンカップでは、これまでに2試合でベンチ入り。4月5日の第3節名古屋グランパス戦(2-3)で後半アディショナルタイムに出場し公式戦初出場を果たすも、1分という出場時間では何のインパクトも残すことはできなかった。
コン・フオンは過去3度の海外移籍(水戸ホーリーホック、仁川ユナイテッド、シント=トロイデン)でも同様の状況に陥っており、ファンも今回の横浜FC移籍が簡単な挑戦にならないことは承知していたはずだ。
しかし、多くのベトナム人は、海外クラブが商業目的でベトナム代表選手を獲得して飼い殺しにすることを極端に嫌う傾向がある。これはコン・フオンに限った話ではなく、かつてセレッソ大阪に所属したGKダン・バン・ラム(29歳)、現在ポーFC(フランス2部)に所属するMFグエン・クアン・ハイ(25歳)についても同じことが言える。
横浜FC公式Facebookページのコメント欄は現在、ベトナム人にほぼジャックされた状況。中には好意的なコメントもあるが、大半はコン・フオンの起用法について、クラブと四方田修平監督を批判するものばかり。代表的なコメントは次のようなものだ。
「試合で使わないくせに、いいね!獲得目的で、これ以上コン・フオンの写真を使うな!」
「コン・フオンは即興プレーで試合に変化をもたらすことができる選手。アジア杯の日本代表戦、ACLの横浜F・マリノスとの試合で彼がどんなプレーをしたか見てください。彼をベンチに置き続けることは監督の判断ミスです。もし正しいなら、なぜ横浜FCは今も最下位なのですか?」
「保守的な考えで、中盤を変えずにダービーで0-5の大敗。控え選手にもチャンスを与えてください。そうでないなら、コン・フオンを他のクラブに移籍させてください」
コン・フオンは横浜FCでの今季目標について、「25試合出場5ゴール6アシスト」と語っていたが、この状況が続けば目標達成は極めて困難。コン・フオン本人にとっても、ファンにとっても我慢の時間が続きそうだ。
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