高校サッカー

高校サッカー選手権を振り返る。大会傑出選手4名とPK戦について

東山高校 GK佐藤瑞起 写真:Getty Images

勝負を分けたPK戦

今選手権大会では、全47試合のうち、PK戦による決着が10試合であった。去るカタールW杯でもPK戦が多くの勝負を分けたように、改めてPK戦の重要性が認識される大会となった。優勝した岡山学芸館、準優勝した東山(京都)の両校は、ともにPK戦を2度制した。岡山学芸館のPK戦キック成功率は、なんと100%を記録した。

PK戦は「運要素が強い」といった認識があるかもしれないが、それを私は否定する。青森山田の黒田剛前監督はPK戦について「気持ちで勝つものではない、技術が大事だ」と選手たちに語っている。特に連戦が続き、PK戦まで戦った選手の疲労はかなりのものだ。そのような疲労感の中でも狙ったところにボールを蹴ることができるか。これは間違いなく、そのシチュエーションを練習してきたかどうかが出る場面である。

また、PK戦勝利には、GKによるシュートストップが欠かせない。岡山学芸館には、平塚仁。東山には、佐藤瑞起という素晴らしいGKがそれぞれいた。シュートストップできるGKは、味方キッカーに対して勇気を与えることができ、PKストップ自体以上に重要な存在である。


様々な進路へ進む者たち

プロへ進む者、大学へ進学する者、来年も選手権を目指す者、ここでサッカーを一区切りとする者。様々な選択が各選手たちにある。熱き戦いをみせてくれた選手たちへ拍手を送りたい。サッカー小僧たちの未来と、日本サッカーの未来が明るいことを感じさせてくれた大会であった。

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名前:KIRA

趣味:サッカー、筋トレ、ワイン
好きなチーム:鹿島アントラーズ
大学までサッカーを現役でプレー、今は会社員として週末に社会人リーグでプレー。戦術解説をメインに皆さんにサッカーを「もっと好き」「もっと楽しんでもらえる」をモットーに頑張ります!

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