アルゼンチンの優勝で幕を下ろした2022FIFAワールドカップカタール(カタールW杯)。日本代表はベスト16と過去最高タイとなる成績を残したが、目標としていたベスト8への進出はまたも叶わなかった。しかし、グループリーグではドイツ、スペインを破り、決勝トーナメントではクロアチアを苦しめるなど強国相手に善戦。選手たちは個々に高い評価を得た大会となった。
そんな中欧州では、移籍市場が開き活発な動きを見せる時期に入った。カタールW杯で評価を上げた日本代表選手たちも名門と呼ばれる各国クラブから熱視線を浴びており、この冬もしくは来る夏にビッグクラブへ加入する選手が現れても不思議ではない。
ここでは、W杯の活躍で注目を集める日本代表選手たちの噂が出ている移籍先について、待ち受けるポジション争いのライバル選手や出場機会にも触れながらまとめていく。
三笘薫(ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン)
噂の移籍先:リバプール、アーセナル
カタールW杯では、日本代表のジョーカーとして活躍したMF三笘薫。スペイン戦では「奇跡の1mm」と呼ばれた決勝ゴールのアシストを演出している。もちろん、アシスト以外の場面でも積極的な仕掛けから好機を生み出し、強豪国との連戦が続く中でも明らかに存在感を放っていた。
現在プレミアリーグのブライトンに所属し、大会後クラブに戻っても好調の三笘。そんな三笘には同じプレミアリーグの名門、リバプールやアーセナルへの移籍の噂がしばしば流れている。
リバプールは今夏、開幕前にこれまで左ウイングを司ったFWサディオ・マネ(セネガル)が移籍。後任は主にFWルイス・ディアス(コロンビア)が務めており、負傷の影響で出場機会が減っているものの復帰後に三笘がポジションを奪うには難しい相手となるだろう。しかし、リバプールは現在リーグで6位と大苦戦のただ中にいる。突破力を買っての三笘獲得となれば、低迷するチームのカンフル剤として、また日本代表と同様ジョーカーとして一定の出場機会を得ることは十分にありうると言える。
一方でもう1つ移籍の噂の出ているアーセナルは、現在リーグ首位と好調を維持。三笘と同じポジションには、FWガブリエウ・マルティネッリ(ブラジル)という絶対的な存在がいるのも確かで、三笘にとっては移籍を果たしたとしてもサブに回る機会が多そうだ。しかし、今季アーセナルはリーグ、カップ戦でブライトンと対戦した際三笘に得点を許しており、クラブとしては三笘に対して強烈な存在感を感じていることだろう。このことからも、脅威を取り除くため、また自チームの攻撃にさらなる厚みを持たせるための三笘獲得は考えられるのではないだろうか。
堂安律(フライブルク)
噂の移籍先:マンチェスター・シティ、ミラン、ローマ、アーセナル
カタールW杯ではドイツ戦、スペイン戦で得点を挙げ、歴史的な勝利に大きく貢献したFW堂安律にも名門クラブから熱い視線が注がれているようだ。しかし、噂になっているような名門各クラブへの移籍は、堂安にとってステップアップであると同時に、選択によっては出場機会を失うことにもなるだろう。
マンチェスター・シティでは、同ポジションにFWリヤド・マフレズ(アルジェリア)がおり、控えを見ても若き至宝FWフィル・フォーデン(イングランド)など選手層は厚い。また、インサイドでの起用も可能な堂安だが、MFケビン・デ・ブライネ(ベルギー)をはじめやはりスタメンはおろかサブに入るのも容易ではない陣容だ。
同じくプレミアリーグで噂のあるアーセナルには、同ポジションにW杯で3ゴールと大活躍したFWブカヨ・サカ(イングランド)がいる。インサイドを考えても、MFマルティン・ウーデゴール(ノルウェー)らと競うことを考えればやはり出場機会の確保は難しいと言わざるを得ない。
一方で、セリエAで噂のある名門、ミランとローマについてはプレミアリーグ2クラブよりは出場機会はありそうだ。しかし、ミランではMFブラヒム・ディアス(スペイン)、ローマではMFニコロ・ザニオーロ(イタリア)などといった、堂安と同じく今後の代表を牽引する世代の選手と比較され続けることは明らかだ。現在所属するフライブルクへの移籍後、わずか半年足らずでビッグクラブへの移籍機会が舞い込みそうな昨今。結末によっては、堂安にとっても日本代表の今後にとっても大きな影響が出るのかもしれない。
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