ワールドカップ イングランド代表

多彩なイングランドがセネガルに完勝。巧みな追い込み漁で隙を与えず【W杯試合分析】

イングランド代表のプレッシングの一例

セネガル代表のプレスも難なく回避

緻密なプレッシングで試合をコントロールしたイングランド代表は、自陣後方からの攻撃の際に左サイドバックのルーク・ショーが敵陣へ上がり、ウォーカー、ハリー・マグワイア、ジョン・ストーンズで3バックを形成。相手の2トップとの3対2の数的優位を作ったうえでのビルドアップを試みた。

これに対しセネガル代表は左サイドハーフのイスマイラ・サールを前に出し、3対3の数的同数を確保。この両軍によるにらみ合いや駆け引きが、キックオフ直後より繰り広げられていた。

セネガル代表 FWイスマイラ・サール 写真:Getty Images

ヘンダーソンが自陣のハーフスペース(ペナルティエリアの両脇を含む、左右の内側のレーン)へ降り、セネガル代表の2トップにマークされていたデクラン・ライスの負担を軽減したほか、ベリンガムも時折左サイドバックの位置へ降り、センターバックやGKジョーダン・ピックフォードからのパスルート作りに尽力。イングランド代表が隊形変化を駆使し、セネガル代表を撹乱した。

先制ゴールの場面では、ウォーカー、マグワイア、ストーンズの3バックでビルドアップを行うと見せかけ、ショーが自陣左サイドで待機。このショーの巧みなポジショニングによりセネガル代表の右サイドハーフ、クレパン・ディアッタが釣り出されると、同選手の背後でフォーデンがパスレシーブ。その後ケイン、ベリンガム、ヘンダーソンの順でパスを繋いだイングランド代表が、セネガル代表の守備を完璧に崩してみせた。

一糸乱れぬプレッシングと、多彩なビルドアップでセネガル代表を圧倒したイングランド代表。今後もカタールW杯を盛り上げるだろう。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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