11月21日に開幕を迎える2022FIFAワールドカップ・カタール(カタールW杯)に、7大会連続7回目の出場を決めた日本代表。まだ試行できる機会(EAFF E-1サッカー選手権や親善試合)を残しているものの、W杯メンバー選考の期限は刻々と迫っている。
特に日本代表の現在のシステムで重要な意味を持つのが、ワントップ(FW1人)の位置だ。得点はもちろんポストプレーなど攻撃の軸も任されるポジションであり、これまではFW大迫勇也が不動の地位を確立していた。しかし6月に行われた国際親善試合のシリーズでは、その大迫が選外となっており、一気に序列が変わる可能性もある。
ここでは、より熾烈さを増す日本代表ワントップのポジションを争うFW選手を紹介していく。
大迫勇也(ヴィッセル神戸)
長く日本代表の最前線を務める大迫勇也。現在代表を率いる森保一監督からの信頼も厚く、今W杯アジア最終予選でも中央最前線のファーストチョイスとしてポジションを確保していた。決して屈強な体格というわけではないが、ポストプレーの能力は他の日本人選手と比べても高い。
しかし、得点力については疑問視されることもある。大迫は2013/14シーズン途中よりドイツへ渡ってから最終年となる2021/22シーズン途中まで、2桁得点をマークすることは一度もなかった。
とはいえ、高いボール保持能力を持ち起点となれる大迫の能力は無視できない。直近の国際親善試合(6月シリーズ)では招集されなかったが、能力も経験も併せ持つことから、メンバー入りの可能性はなおも高いと言えるだろう。
浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)
「ジャガー」の愛称で知られ、抜群のスピードを持つ浅野拓磨。プロデビューとなったサンフレッチェ広島(2013-2016)で、森保監督とは監督と選手の立場であったことから、文字通り「師弟」として信頼関係を築いている。
重要な試合での得点能力には定評があり、世代別代表では「AFC U-23選手権2016」決勝で韓国相手に2得点と逆転勝利に貢献。A代表でも、ロシアW杯(2018)の最終予選において、勝てば突破が決まるオーストラリア戦での先制点を挙げるなど勝負強さを見せつけた。代表でのゴールは通算7点と多くはないが、少ないチャンスを生かせる勝負強さは、短期決戦のW杯でこそ輝くのかもしれない。
古橋亨梧(セルティック/スコットランド)
代表では左サイドを任されることも多いが、所属先のセルティックでは中央で高い得点力を発揮している古橋亨梧。今でこそ注目の選手だが、大学4年次になってもなかなかオファーが届かなかったという過去を持つ。
しかし、2017年にFC岐阜でプロデビュー後は、6年のキャリア中の4年は2桁得点をマーク。現在の代表選手の中では、こと得点に関して最も信頼できる。安定した実績を持つことには疑いの余地がないだろう。
森保監督の中で、古橋はサイドで使うイメージが強いようだ。だが、現在の代表候補の中では、ゴールに近い場所で誰よりも力を発揮できる選手であることも確かだ。
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