Jリーグは5月26日、3月決算の3クラブ(柏レイソル、湘南ベルマーレ、ジュビロ磐田)を除いた2021年度のクラブ経営情報を公開した。
J1クラブに引き続き、公開された経営情報データからJ2クラブの営業収益、スポンサー収入、入場料収入、人件費、営業利益についてご紹介する。
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営業収益
本業から得られた収益である営業収益。Jリーグクラブの営業収入には、スポンサー収入・入場料収入・Jリーグ配分金・物販収入・アカデミー関連収入などが挙げられる。
上記は2021年度J2クラブの営業収益をプロットしたデータとなる。最も営業収入が高かったクラブは大宮アルディージャで31億1500万円、最も少ない営業収益となったのはザスパクサツ群馬で6億3700万円であった。J2クラブ全体の営業収益は2020年度と比較すると0.18%の減少となり、J1クラブ全体と違って昨年度からの収益拡大には至っていない。
スポンサー収入
クラブの収益の大部分を占めるスポンサー収入。2021年度最もスポンサー収入を得たクラブは大宮アルディージャで22億8100万円、最も少ないスポンサー収入となったのはFC琉球で2億4800万円であった。大宮アルディージャはFC琉球のおよそ10年分のスポンサー収入を1年で得た計算になる。
J2全体におけるスポンサー収入は2020年度と比較しておよそ4%の減少、インパクトとしてはおよそ6億8600万円の減少となった。
入場料収入
いわゆるチケット代に当たる、入場料収入。2021年度最も入場料収入を得たクラブはアルビレックス新潟で4億7500万円、最も少ない入場料収入となったのはFC琉球で3400万円であった。アルビレックス新潟は前年度と比較して28.3%増加し、クラブが地域に根付いていることを示している。
新型コロナウイルスの影響により苦しい状況の中ではあったが、J2クラブ全体で見れば前年度に比べて5億9400万円増加に転じ、今後もその傾向は継続すると考える。
人件費
所属選手や監督、クラブスタッフたちの人件費。2021年度最も人件費を計上したクラブはV・ファーレン長崎で13億8400万円、最も少ない人件費の計上となったのはブラウブリッツ秋田で2億6500万円であった。
人件費を大きく費やしたにも関わらず「J1復帰」という最大のミッションを残すことができないことからも、J2攻略の難しさをはひしひしと感じさせられる。人件費が5番目に多かった松本山雅は2020シーズンは常時下位に低迷し、遂にはJ3に転落してしまった。
営業利益
本業から得られた収益である「営業収益」から、人件費や試合運営費などといった経費を差し引いた「営業利益」はどうなっただろうか。
営業利益が黒字だったJ2クラブは13となり、前年度が6クラブ、今年度もJ1ではたった5クラブだけだったことから考えると、カテゴリーこそ異なるが「健全な経営体質」を維持できている事実が判明した。特に京都サンガは、J2クラブ唯一の営業利益1億円超えであり、J1昇格を達成しただけでなく営業利益においても素晴らしい結果を残した。
一方、V・ファーレン長崎の赤字体質は非常に深刻であり、J2では唯一の10億円以上の赤字となった。さらには、2期連続で10億円以上の赤字を計上している事実を見逃してはならない。残念ながら身の丈に合わない経営をしたクラブと言わざるを得ない。
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