レベルの高い大きなクラブへ移籍し、大きな栄光を、年俸を手にする。個人事業主のプロサッカー選手にとって、その目標はごく自然なものだ。反面、結果を残せずに契約満了となる選手も少なくない。従ってサッカー界では毎年多くの選手が移籍する。
それが当たり前だからこそ、サポーターはごく少数の“そうではない選手”に惹きつけられる。「バンディエラ(チームの象徴的存在)」。同じクラブで長期間プレーする選手のみに与えられるこの称号の価値は、クラブを熱く応援したことがある人間でないと分かりにくいものだろう。
そこで各クラブのバンディエラにスポットを当て、改めてその選手の凄さを伝える。第2弾は、柏レイソルの背番号7を背負うバンディエラ・大谷秀和だ。
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大谷秀和の現在までのキャリア
まずは簡単に大谷秀和のサッカーキャリアを振り返ってみたい。千葉県の初石少年サッカークラブでサッカーを始めた大谷は、市の選抜チームである流山FCでもプレーしたのち、中学生で柏レイソルU-15に入団。あとはU-18、トップチームと階段を上り、現在にいたる。非常にシンプルだが、だからこそ改めて凄さを感じる。
また、今年でプロ20年目を迎えた大谷は偉大な記録を保持している。現役選手の中で、プロになって以降で同じクラブに所属している期間が最も長いのだ。大谷の場合は、さらに中学生の頃からプロ入りするまでの期間もある。中学生から37歳まで、同じクラブでプレーし続けている選手は世界中を見渡しても数えるほどしかいないのではないだろうか。
人生の約3分の2を柏レイソルというクラブで過ごしてきた、バンディエラの中のバンディエラ。それこそが大谷だ。その姿に憧れ、背中を追う選手も少なくない。例えば、今季筑波大学からレイソルに加入した加藤匠人。レイソルユースの出身で、ポジションも同じである彼は、憧れの選手に大谷の名を挙げている。
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