スコットランドサッカー協会(SFA)はセルティックに所属する元日本代表MF井手口陽介(25)にスライディングタックルを見舞った選手に対する処分内容をすでに公式発表している。しかし、元プレミアリーグ審判員のキース・ハケット氏はSFAの処分内容に疑問を抱いているようだ。3日、イギリスメディア『フットボール・インサイダー』が伝えた。
井手口陽介は昨年12月31日にガンバ大阪からセルティックへの完全移籍が決まると、先月17日開催のスコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド1部)第21節・ハイバーニアン戦で途中出場によりデビューしていた。しかし、22日のスコティッシュ・カップ4回戦・アロア・アスレティック戦で先発出場した際、60分にMFモハメド・ニアン(22)から足元にタックルを見舞われ負傷退場。以降はレンジャーズとのダービーマッチなど公式戦3試合でメンバー外となっており、6日に控える第25節・マザーウェル戦も欠場するものとみられる。
SFAは先月28日、井手口陽介にタックルを見舞ったニアンに対して、イエローカードからレッドカードへの判定変更にくわえて2試合の出場停止処分を科したと発表。しかし、かつてプレミアリーグや1988年のソウル五輪で審判を務めたハケット氏は「主審はこのチャレンジを悪質なものと判断した。規則では選手が危険性を無視してプレーした場合に悪質なものとされ、相手選手への影響をふまえて警告を与えなければならないと述べられている。私はあのプレーを見たが、(警告に該当しないための)基準を満たしていた」と反論している。
さらにイエローカードからレッドカードへ判定が変更された点については「選手が必要以上の力を使って相手の安全を危険にさらした場合にはレッドカードの対象となる。今回の判定では選手の負傷が色濃く反映されている。しかし、(ボールを奪うためにチャレンジした)選手は過剰な力を使ったのだろうか?私の意見では、そうではない」とコメント。SFAによる処分内容が妥当なものではないという見解を示している。
なお、ニアンに対する処分については、アスレティックを率いるバリー・ファーガソン監督も「ひとつ言えることは、我々はこの決定に不服があるということだ。ニアンがイデグチにコンタクトしていなかったとは言っていない。だがプレーをよく見ると、彼はボールを奪うことに集中していた。ただ、残念ながらフォロースルーがイデグチの足首に当たってしまったんだ」と不満をあらわにしていた。
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