2月12日川崎フロンターレ対浦和レッズの「FUJIFILM SUPER CUP」によって幕を開ける、明治安田生命J1リーグの2022シーズン。今年は冬にFIFAワールドカップ・カタール大会が行われるために前倒しのスケジュールとなっている。そのため移籍市場の動きも早く、J1のクラブはスカッドが固まりつつある。
そこでスケジュールに負けじと、1月5日時点での各クラブの補強診断を行った。戦力の収支をA（大きくプラス）～E（大きくマイナス）の5段階で表し順位を付け、3クラブずつまとめていく。なお、以降の移籍動向についても文中に反映しているが、ランキングには反映していない。
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3位：清水エスパルス
戦力収支：B
OUT
藤本憲明（ヴィッセル神戸：復帰）
ノリエガ・エリック（未定：契約満了）
エウシーニョ（未定：契約満了）
指宿洋史（アデレード・ユナイテッドFC：完全移籍）
奥井諒（V・ファーレン長崎：完全移籍）
河井陽介（ファジアーノ岡山：完全移籍）
石毛秀樹（ガンバ大阪：完全移籍）
金子翔太（ジュビロ磐田：完全移籍）
中村慶太（柏レイソル：完全移籍）
高木和徹（東京ヴェルディ：完全移籍）
IN
栗原イブラヒム・ジュニア（鈴鹿ポイントゲッターズ：復帰）
成岡輝瑠（SC相模原：復帰）
髙橋大悟（ギラヴァンツ北九州：復帰）
白崎凌兵（鹿島アントラーズ：完全移籍）
岸本武流（徳島ヴォルティス：完全移籍）
権田修一（ポルティモネンセSC：完全移籍）
神谷優太（柏レイソル：完全移籍）
川谷凪（静岡学園高校：新加入）
菊地脩太（清水エスパルスユース：昇格）
千葉寛汰（清水エスパルスユース：昇格）
山原怜音（筑波大学：新加入）
加藤拓己（早稲田大学：新加入）
昨季の開幕前、J1のクラブで最も積極的な補強を見せていたのは清水エスパルスだった。しかし蓋を開けてみると負けが先行。第34節終了後にミゲル・アンヘル・ロティーナ監督との契約が解除となるなど、降格圏と勝ち点6差の14位でシーズンを終えた。
ロティーナ監督の後任を務めた平岡宏章監督が今季も続投となり、主力を維持する継続路線を選択しつつもさらに戦力を上積みすることに成功した。ポルトガルのポルティモネンセから期限付き移籍で加入していた日本代表の権田修一を完全移籍に移行。
その他のポジションでは攻撃的なポジションを中心に強化。SBながら攻撃性能の高さが評価されている岸本武流、ドリブルとパスで違いを生み出せる神谷優太、CHから前のポジションならどこでもプレーできる白崎凌兵、右SHからカットインしゴールを陥れられる髙橋大悟はいずれもスタメンに定着する可能性十分だ。
また、期限付き移籍していた成岡輝瑠と栗原・イブラヒム・ジュニアも復帰。加えて新卒5人を獲得。U-22日本代表の山原怜音、フィジカルに優れた加藤拓己、ドリブルとスピードが持ち味の川谷凪。すでにトップチームデビューを果たしている菊地脩太、U-20日本代表候補に選出された千葉寛汰の清水エスパルスユースから昇格した2人にも期待だ。
昨年は期待ほどの結果を残せなかった清水エスパルス。平岡体制となって以降のラスト4試合を負けなしで終えた勢いを維持し、2022シーズンこそ安定した成績を残すことができるだろうか。
2位：浦和レッズ
戦力収支：B
OUT
西大伍（未定：契約満了）
トーマス・デン（アルビレックス新潟：完全移籍）
木下康介（水戸ホーリーホック：完全移籍）
宇賀神友弥（FC岐阜：完全移籍）
池髙暢希（ギラヴァンツ北九州：完全移籍）
橋岡大樹（シント=トロイデンVV：完全移籍）
杉本健勇（ジュビロ磐田：期限付き移籍）
興梠慎三（コンサドーレ札幌：期限付き移籍）
大城蛍（愛媛FC：完全移籍）
福島竜弥（SC相模原：期限付き移籍）
汰木康也（ヴィッセル神戸：完全移籍）
金子大毅（京都サンガFC：期限付き移籍）
武田英寿（大宮アルディージャ：期限付き移籍）
山中亮輔（セレッソ大阪：完全移籍）
田中達也（アビスパ福岡：完全移籍）
伊藤涼太郎（アルビレックス新潟：完全移籍）
槙野智章（ヴィッセル神戸：完全移籍）
塩田仁史（引退）
福島春樹（未定：契約満了）
阿部勇樹（引退）
IN
岩尾憲（徳島ヴォルティス：期限付き移籍）
ダヴィド・モーベルグ（ACスパルタ・プラハ：完全移籍）
松尾佑介（横浜FC：完全移籍）
牲川歩見（水戸ホーリーホック：完全移籍）
松崎快（水戸ホーリーホック：完全移籍）
知念哲矢（FC琉球：完全移籍）
大畑歩夢（サガン鳥栖：完全移籍）
犬飼智也（鹿島アントラーズ：完全移籍）
馬渡和彰（大宮アルディージャ：完全移籍）
木原励（京都橘高校：新加入）
安居海渡（流通経済大学：新加入）
宮本優太（流通経済大学：新加入）
年間予算を考えると満足いく結果ではないように見えるが、2019年の14位、2020年の10位から大きく順位を上げ6位で昨季を終えた浦和レッズ。就任1年目のリカルド・ロドリゲス監督のもと徐々に順位を上げ、さらにシーズンの最後には天皇杯のタイトルを獲得した。
“3カ年計画”の3年目を迎える今季に向けてはリーグ制覇とAFCチャンピオンズリーグのタイトル獲得に向け、大幅な”血の入れ替え”を敢行。長年チームを支えた阿部勇樹、槙野智章、宇賀神友弥、興梠慎三、西大伍らがチームを離れ一時代の終了を感じさせると共に、J2で活躍していた選手などロドリゲス監督が就任する以前の浦和レッズとは異なる”玄人好み”の補強を行った。
J1での経験を持つ犬飼智也、大畑歩夢、松尾佑介、馬渡和彰。大きなサプライズとなり得る松崎快、知念哲矢、牲川歩見。世代別日本代表にも選ばれ京都橘高校から加わった木原励、関東大学リーグ1部ベストイレブンに輝いた安居海渡と宮本優太。いずれも1年目からレギュラーを掴んでもおかしくない選手だ。
そして最大の補強になりそうなのが岩尾憲。多くのベテランが去ったこと、徳島ヴォルティスでも師弟関係を築いたロドリゲス監督から絶大な信頼を寄せられているため、キャプテンシーを持つ彼が加わることでチームが一段階強くなる可能性がある。戦術の浸透に時間のかかるサッカーのため昨季より成績が上がる可能性は高く、リーグタイトル奪取とアジア制覇への期待が高まっている。
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