中国に帰化していた元ブラジル代表FWリカルド・グラール(30)は、昨年11月に中国スーパーリーグの広州FC(旧広州恒大)を退団しているが、ようやく新天地が決まった。
グラールはカンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル1部)のSCインテルナシオナルやゴイアスEC、クルゼイロでのプレーをへて、2015年1月に移籍金1500万ユーロ(約21億円)でクルゼイロから広州恒大へ完全移籍。移籍1年目の2015シーズンにいきなりAFCチャンピオンズリーグ(ACL)と国内リーグの2冠達成に貢献するなど、中国でも活躍していた。また、2019年には中国へ帰化したものの、ブラジル代表選出歴があったため、中国代表入りが実現しなかったことで話題を呼んでいた。
その中、昨年9月に広州FCの運営会社である『中国恒大集団』が30兆円以上の負債を抱え、債務不履行(デフォルト)の危機に陥っていることが判明。広州FCはグラールに対して年俸1億元(約18億円)の支払いができない状況になると、昨年11月16日になって同選手の退団を公式発表していた。
そんなグラールの去就を巡っては、昨年11月に年俸1000万レアル(約2億1000万円)による2年契約のオファーを提示したパルメイラスへの加入で合意に達したと複数のブラジルメディアが報道。一時は古巣復帰が濃厚と伝えられていた。
しかし、パルメイラスとともにコリンチャンスやECバイーアなどブラジル1部の複数クラブが争奪戦を展開。その後、昨年12月中旬にはフルミネンセとスュペル・リグ(トルコ1部)の強豪ベシクタシュが正式にオファーを提示すると、グラール獲得を巡っては両クラブの一騎打ちという見方が広まっていた。
ただ、サントスが年明けの4日に選手サイドとの会談を実施。グラール本人がサントスのプロジェクトを気に入ったこともあり交渉が順調に進むと、両者は契約締結で合意。サントスは11日になって2023年12月までの2年契約を結んだと公式発表している。
なお、グラールは中国スーパーリーグが中断期間に突入した昨年8月以降、公式戦のピッチに立っていない。広州FC退団以降、母国でトレーニングを積んでいるものの、サントスではより早く試合勘を取り戻すことが求められる。
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