Jリーグ

J2からJ1へ「個人昇格」が期待される日本人選手11人

町田ゼルビアのサポーター 写真提供:Gettyimages

佐野海舟(町田ゼルビア)

サッカーを始めた頃からボランチでプレーしており、最大の特徴であるボール奪取能力は20歳にしてすでにJ2屈指のMF佐野海舟。その後に前方へのパスを狙う意識も高まっている。昨シーズン、今シーズンともに3,000分以上出場し、シーズンを通した活躍に期待できる。さらに今季は攻撃参加の回数も増え、思い切りの良いミドルシュートなどで6得点と得点能力も大きく向上。J1の、中盤の守備力に課題を抱えるクラブや昇格クラブなどが間違いなく目を付けている選手だ。一方で、弟のMF佐野航大が来季からファジアーノ岡山に加入するため、来季J2での兄弟対決が観られる可能性もある。


モンテディオ山形のゴール裏 写真提供:Gettyimages

半田陸(モンテディオ山形)

DF半田陸。各年代の代表に選出されてきた男が、ついにプロの舞台でも本領を発揮した。昨シーズンの山形や代表ではCBとして起用されてきたが、今季の山形では右SBとしてスタメンの座を掴んだ。これは彼自身が自分の特徴を見極め、SBとしてプレーしたいとチームに伝えたため。CBだったこともあって対人の強さは優れており、加えてサイドを駆け上がることはもちろん中央に絞ってもチームに貢献できる。山形ユース出身なだけにクラブ愛は非常に強いだろうが、目標は海外移籍。J1のクラブが放っておくはずのない人材であり、目標達成のために活躍の場をJ1に移す可能性はある。


アルビレックス新潟のサポーター 写真提供: Gettyimages

本間至恩(アルビレックス新潟)

MF本間至恩。アルビレックス新潟ユースが生んだ最高傑作の下には、昨季終了後も複数クラブからオファーが舞い込んだ。だが新潟から直接海外クラブを目指す道を選択し、今季も新潟でプレー。抜群の俊敏性と細かなボールタッチで左サイドから中央に切り込んでいくドリブルの技術は、J1においても屈指ではないだろうか。今季は5得点6アシストと昨季より少し数字を落としてしまったが、これは怪我があり出場自体が減ってしまったからこそ。今季まで新潟を率いていたアルベルト監督が新指揮官に就任したFC東京など、J1のクラブを挟んで海外を目指す可能性がある。


V・ファーレン長崎のゴール裏 写真提供: Gettyimages

毎熊晟矢(V・ファーレン長崎)

FWとしてプロ入りしたがSBへとコンバートしたMF毎熊晟矢。それがプラスに働き、プロ1年目の昨季から攻撃的なSBとしてレギュラーに定着した。今季はクロスの精度が向上して大きく数字を伸ばし、アシスト数はリーグ2位となる10を記録。ただタッチライン際を突破するのではなく、積極的にゴール前に侵入し貪欲に得点を目指すスタイルは、ボールをしっかり保持しながらゴールを狙うチームに合うだろう。

江川湧清(V・ファーレン長崎)

長崎県南島原市出身のDF江川湧清は、長崎U-18から2019年にトップチームに昇格した。だが1年目に右膝前十字靭帯断裂という大怪我を負ってしまう。それでも2年目となる昨季、左SBとして一定の出場時間を確保。プロの舞台に慣れた今季、CBとしてレギュラーの座を掴んだ。175cmとCBにしては低めの身長だが、アカデミーの頃から接していた松田浩監督からの信頼は厚い。信頼される指揮官のもと、長崎でもう1年プレーする可能性も十分だが、左利きで複数ポジションをこなせる若手選手を欲するクラブは多いはずだ。


水戸ホーリーホック 写真提供:Gettyimages

松崎快(水戸ホーリーホック)

MF松崎快。右サイドを疾走する水戸の特急はプロ2年目の今季、ブレイクを果たした。昨季から出場時間を倍増させ、文句なしにJ2屈指のドリブラーへと急成長を遂げたのだ。切れ味鋭い突破はもちろんフィジカルコンタクトにも強く、1対1で対峙してしまうと止めるのは難しい。8得点6アシストとサイドハーフとしては抜群な結果を残したため、J1のクラブから狙われる可能性は高い。

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名前椎葉 洋平
趣味:サッカー観戦、読書、音楽鑑賞
好きなチーム:アビスパ福岡、Jリーグ全般、日本のサッカークラブ全般

福岡の地から日本サッカー界を少しでも盛り上げられるよう、真摯に精一杯頑張ります。

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